第4話「輝竜変幻」

ここは遠い世界。ピンチと思われたが砂漠の国「ロックスター」の砂上軍艦が現れ、かの竜を打ち取ったように思われた。


四話「輝竜変幻」


艦上の硝煙が晴れた時、皆は気付く。

「お・・・おい、これって。」

「ひっ!生首!」

星彦丸はあっという間に気を失った。

兵士達もざわめく。

「見張り台のローリーだ・・・。誰にやられた?」

艦長は皆に指示を出す。

「総員、白兵戦準備!お嬢さん達は艦底部の部屋に隠れてな!」

「私たちも戦うよ!」

「星彦丸はどうするの。一旦隠れましょう。」

リリアはリルムを説得し、艦底部に向かった。

幾つかの兵士は剣を、また幾つかの兵士は機械連発式短小銃で武装した。艦長もまた、腰の剣に手をかける。

時は満ちた。そういわんばかりにマストの上にある見張り台から雄たけびが聞こえる。そしてそこから一人、いや一匹?が飛び降りる。肉体は筋骨隆々の男、全身に白亜の鎧を纏い、腕には空色の鋭い大爪が生えている。背中には小さいながらもしっかりとしたワイバーンの翼、そして長い尻尾か若しくは尻尾状の鎧の装飾があった。勿論、身にまとう光も健在だ。

艦上の緊張感は極限に達し、遂に艦長が号令をかける。

「かかれぇい!」

「「うぉー!」」

その刹那男の瞳は赤く光り、爪の一撃で艦長は吹き飛ばされ見るも無残な姿に変わり果てた。だが、銃撃は止まない。しかし効いている様子はない。

「くそっ、効いていない。弾が切れた!皆、切りかかれ!」

誰かが号令すると皆切りかかりだす。そして一人残して皆死んだ。

「嘘だろ・・・。新入りの俺だけかよ・・・死にたく無いよママぁ助けて・・・。」

!!!

「ママは誰も見捨てたりしないわ!行くわよ!マッハキック!」

キックは見事に当たり男を吹き飛ばした。

飛び出したのはリリアだった。彼女は「お姉ちゃん」「ママ」そして「助けて」の言葉に弱い。

「わわっ!お姉ちゃんが隠れろって言ったのに飛び出してどーするの!私も戦う!!!」

堪らずリルムも飛び出す。

「第二ラウンド、開始っ!」

「喰らえファイアランス!チクチクしてやる!」

爪よりも遥かにリーチの長い槍は有利だ。適当に振り回しているだけで相手は近寄れない。暫く男は回避しているだけだったが・・・。

「うぉおおおお!!!」

雄たけびと共に火の魔法槍に掴みかかる。

「ぎゃー!こっちくんなー!」

思わず槍を手放すリルム。ああ、いけない。勢い良く飛び掛かりリルムの上に乗る男。このまま斬首か?

「次のも痛いわよ!?お姉ちゃんスープレックス!」

リリアが男の腰を掴み、持ち上げる。そして後頭部から叩き落とす。

「決まったわね!」

男は立ち上がろうとする。しかし脳震盪により立ち上がることが出来ない。そのまま男は倒れこみ停止する。

そしてその光は辺りに散っていった。

「やった!勝った!バンザイ!」

「お姉ちゃん大勝利!。軍人の皆さん・・・ご冥福を。」

そこにやっと起きた星彦丸が出てきて。

「軍人さん・・・助けてくれてありがとう。」

「あ、そうだ!そいつ縛っとかないと。」

「そうね、また暴れだしたら大変だもの。」

「この人が結局さっきの飛竜の正体なのかな。」

「うーん。さっきの姿なら類似点は多いんだけど・・・。」

「魔力の欠片も感じないよ?こいつ。」

「取り敢えず救難信号をだして救援を呼びましょう。」

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