第27話第一の質問
まずこのゲームで重要なことは、何を質問するかだ。質問は三回までと定められている以上、無駄撃ちは出来ない。しかし答えに直結するような質問も出来ないとなると、慎重に、良い塩梅を攻めるしかない。
それにはまず、彼女のことを観察し、思考する必要がある。彼女がどのような性格なのか、今までの高校生活と今の戦いから思い返して、最も回答に近づける質問をしなけらばならない。
まず彼女の容姿。これは文句なしに美少女と断言していい。そこらの女優よりもよっぽど顔が整っている。正直、リアルで彼女以上に可愛い女の人を見たことがないよ……。
それから次にスペック。僕は篠原さんと一回も同じクラスになったことはないからあまり詳しくは知らないけど、聞いた話によると文武両道らしい……。
勉強もスポーツも全てをそつなくこなす、非の打ち所がない完璧美少女だとか。僕もさっきのポーカーで確信したけど、彼女は出来る!
僕が素人相手にあそこまで苦戦を強いられるなんて、普通のことじゃないよ。つまり、彼女は普通じゃない。
そして最後に性格。ん〜でもこれはよくわかんないや。他のクラスに行ったとき篠原さんを見た事があったけど、彼女、ずっと机で寝てるんだもん。きっと家で東大レベルの難問を解いていて、高校レベルの授業に退屈してるんだと思うんだけど……。
思えば、彼女が誰かと話しているのを見た事がないな。いや、さっきディーラー役の彼と話してたっけ……。でもそれ以外だと、本当に一度も見た事がない。
つまり、彼女はあまり人付き合いが得意じゃない? なんだか喋り方もどこかのお嬢様っぽい感じだし、僕たち平民とは次元が違う人なのかもしれない。
そうなると、付き合った人数がゼロでもおかしくないか……? でも、こんなに可愛い人に彼氏がいないなんて、常識的に考えてありえるのか? よーし! まずはこの質問からだな。
「えっと、じゃあ最初の質問。篠原さんは、今まで誰かと付き合った事はあるの?」
この回答によっては、一発で答えが決まる。さぁ、どう答える篠原さん!?
ドキドキと彼女の回答を待つと、篠原さんは若干頬を赤らめながらも。
「えぇ。もちろんあるわよ」
言い切った。やっぱりそうなんだ。でもなんだかちょっとショックだな……。
って! 今はそんな事考えてる場合じゃない。次の質問を考えないと。
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