第23話【回想】

半同棲とは言え千秋はまだ大学生。

僕の家から通うこともあったが、距離的にも実家から通う事が多かった。

だから必然的に1人になる時間も増えた。


思えば今までは常に誰かが居た。

実家には家族。寮には先輩。逃げ出した先は友達の家。


僕はこの1人の時間が好きだった。

好きだけど考え事が増えた。


ここには書き切れないことだらけだが、色んな事があった20歳だった。


20歳になって、思うことがある。


僕の母は20歳で僕を産んだ。

子どもの時の親とは絶対的のイメージだったが、まだまだ子どもだったんだなと思った。

例えばこれはしても良いけれど、あれはしたらダメと言うのは親の加減であり親の人生経験から学んだことを子どもに伝えている。

人はオオカミに育てられたらオオカミになり、ナマケモノに育てられたらナマケモノになるのだ。

それほど子どもにとって【生活環境】とは大切なものである。


―人はいつか死ぬのに何の為に生まれてくるのか。


―自分が死ぬときは何で死ぬのか。


―自分が死んだらどれくらいの人が見送ってくれるかな。


―俺が死んだらあいつに連絡行くのかな。


―俺は結婚するのか?


―子どもを育てられるのか?


1人なるとこんなことばかり考えてしまう。


僕の親友に、寝ているときに夢を見ない人がいる。


『人は1日に夢をいくつか見ているが覚えていないもの。』という文面を何かで見たことがある。


僕の場合夢を見ない日がほとんどなければ、覚えていないことがほとんどない。


・人に追いかけられる夢


・真っ黒の犬に追いかけられる夢


・何かを探しに壮大な旅に出る夢


・空を飛ぶ夢


起きてすぐにメモをすれば、大ヒットしそうなSF映画ができそうなほどの話の時もある。


夢占いをしてみると、体調が悪い事の暗示とかストレスを抱えているとか。

今の自分を変えたいと思っている。などが出てきた。

良い睡眠がとれないと、悪夢を見るらしい。


この時あたりから僕は自分の将来への不安と焦りが出ていた。















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