第23話 願いごとは口にしないほうがいい

ロケ5日目は宮崎からスタート。

宮崎…野菜や畜産のイメージが学生時代の勉強から残っている。あとは、某知事の出身だったり…最近だとスポーツニュースで、プロ野球のキャンプが行われる場所という知識が増えたが、あまり詳しくない場所である。




「神社って身近にあってもなかなか寄りにくい気がしますよね。年始にお参りに行くくらいで…」


まずは神社に到着。

やはりお参りに来ている方が多い。


「へぇ…ここに玉を入れることができたら願いが叶うんですか…素敵ですよね。私学生のころはそういうのめちゃくちゃ好きでしたね〜」


ということで、挑戦してみる。

その前に、スタッフさんが先に挑戦することに。中尾さんがすることになったのだが、何故か男性は左手で投げないといけないらしく、利き腕じゃないため失敗に終わってしまった。


「四月一日さん、お願いします」


中尾さんが申し訳なさそうな顔で頼んできた。やはり、番組のことを考えると、最悪どちらかが成功しないと盛り上がりに欠けるわけだ。

スタッフが成功して、タレントが失敗でも盛り上がるし、逆も然りだ。


「そんなプレッシャーをかけないでください!」


けど、私はプレッシャーに強くないのでそんなに期待しないでいただきたい。


「ふぅ…」


一呼吸おいて、気を休める。そういえば願いごとは何にしようか。せっかくなら億万長者とか、トップアイドルとか願いたいところだが、私の現状、実力でそれを願うのは何か罰当たりみたいな気がする。


あ…やっぱりこれだな。

願いが決まったので、少し力を込めて投げる。



「おぉー!」


見事に入った。

とりあえず一安心だ。


「ところで何を願ったんですか?」


スタッフさんから質問される。


「こういうのって言ったら叶わないみたいな風潮ありますよね?だから秘密です」


教えてくださいよ、と数人に詰められるが受け流して次のロケ場所へ向かう。


「願いが叶ったら、教えます」


少し悪女みたいな発言かもしれないが、私もこの願いを叶えたいので悪しからず。


その後もパワースポットを巡り、スピリチュアルな力を肌で感じ取り、英気を養った気がする。


「これは…鶏肉の噛みごたえというか、柔らかさがいいですね。ソースも旨辛といいますか…ご飯がとても進みますね!」


多少なりともマシになった食レポで、スタッフさんからも進化した?!みたいな驚いた表情が見られたので嬉しくなった。カメラが止まってからは、スタッフさんと談笑しながらレストランでの食事を終えた。


その後ホテルへ到着。

いよいよ明日が最終日である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る