第38話 口封じ

「ね、ポッキーゲームしよ?」


上目遣いでねだる君。

チョコ味のそれを差し出して。

俺が甘いの駄目だと知ってるくせに。


文句を返す君の腕を引いて言葉を奪う。


これは、ただの口封じ。


こっちの方が好きだから。そう耳元でささやけば。

両手で耳と唇隠して飛び退いた。


ほら、ポッキー食べたらこっちへおいで?

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