flight 2.⑥
しかし緊急BOXを使えるのは自分が医師だと証明できた場合のみだから使えないことが多い。なぜなら、アメリカだと医師免許はカードサイズのため持ち歩いている人も多いのだけど、日本は大きな賞状サイズのため持ち歩くことができないのだ。そこは本当に申し訳ないが決りなので仕方がないような気もする。確かに嘘で「医師です」とか言って処置をされた日にはたまったもんじゃないよね。でも私はCAであるとともに医師免許を持っているということを会社側に届け出ているので問題なく使うことができる。
そうして患者様に適切な処置を行っていると機長からの呼び出しがあった。処置中で行くことができなかったためサラに行ってもらう。
サラが帰ってきた。
「冷泉機長が緊急着陸をして搬送する必要があるかって聞いてきたんだけど比較的軽症そうだから大丈夫ですって伝えてきた。大丈夫だったよね?」
「うん、大丈夫。さすがサラ、臨機応変に対応してくれてありがとう。」
サラはCAとしてだけではなく看護師としても優秀なようだ。サラの手助けもあり、患者さんは痛みが和らいだよう。あとは目的地に着いてから現地の医師に対応を任せることにする。
「天野先輩、ソン先輩、対応してくださりありがとうございました。」
「いえいえ、医師としての務めです。」
「そうそう、このために私たちが乗っているようなもんだからね。」
無事、急病患者様の対応を終えた美空とサラでした。
その後は何にも問題なくフライトを終えた。
そしてフライト後...
「いや~、今日は本当にお手柄だったよ美空!」
「ありがとう、サラ。サラの迅速な判断もなかなかだったよ。」
「まあね。だって私だもん。」
「ふふ!そういうと思った!」
飛行機の中で急患が出るたびに医者で良かったと思う。患者様にとって応急処置が適切でないと命取りになる可能性がある。でも、対応できなかった時のことを考えてドクターコールをしても名乗り出ない医者が多いというのも事実。そんな時にCAが医者だと対応してもらえないという不安もない。私にとってこの仕事はとてもやり甲斐のある仕事だ。自分の実力を試せるしね!
今回の私たちは2泊3日の予定だ。
「ねえサラ、2泊目にさ、カリフォルニアディズニー行かない?」
「いいよ、いいよ!私あそこ大好き!!」
「だよね!カーズとかが可愛いしね♥」
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