第331話 331.フォンティ城塞都市

◇◇アルバーノ・フォンティ ◇◇


フォンティ城塞都市はレイアード城塞都市から200キロ程西に移動した平原にある城塞都市

アルバーノ・フォンティはエデンを落とす為にどうしたら良いかと考えながら、貧しかった時代を思い出していた。



フォンティ城塞都市は5年前まではレイアード城塞都市と違ってなんお変哲もない平原に築かれた城塞都市だった。

その頃は、この平原にフォンティ城塞都市と同じような大きさの城塞都市が無数に点在し互いにけん制し合っていた人口5000人にも満たない弱小城塞都市だったのだ。


兎に角、魔獣の溢れる平原の中で生活するのがやっとと言った惨状だった。

どこの城塞都市も同じだ。

ドンドンと増え続ける魔獣の群れに覆いつくされた平原

外の平原にも迂闊に出れず他の城塞都市とも交流など程遠い状態


タダ運の良かったことに、フォンティ城塞都市の近くには洞窟型のピエルーラダンジョンが有ったのだ。

どこの城塞都市もピエルーラダンジョンの所有権を主張し常に城塞都市同士で小競り合いの争いが起こしていたのだった。


どこの城塞都市も生きる為には必死だったんだ。

ただそれだけの事


『強い者が生き残り、弱い物は死ぬ』


それが自然の摂理ってだけだ。


そうしてその日も周辺の城塞都市と小競り合いをしながらも、俺達は生きる為にピエルーラダンジョンに潜ったのだった。

なんとか5階層を突き進んでゴブリンキングを20人で袋叩きにして狩った時!!


縦30センチ横15センチほどの真っ黒な石板がドロップしたのだ

最初は

「なんだ石板じゃないか、しけた物がドロップしたもんだぜ」

なんて思っていたが

その石板に



『我はドリス神なり

我が指し示す言葉を聞き

実践するならば

必ずやこの世界を束ねる事が

出来るであろう


我を祭れ

我を信仰しろ

そうして我の名を広めよ』


と文字が表示されたのだった。

そうして・・


『6階層を真っすぐに100歩進んだ場所から

右にまっすぐ進んだダンジョンの壁を叩け

必ずやお前の助けになる武器が手に入るであろう』


そんな言葉が表示されたのだった。


そうして毛に入れた・・・


俺はドリス神からの言葉が表示される石板を


『神託の石板』


と呼ぶ事にし、ドリス神を祭る教会を作る事にしたのだ。

とはいっても・・

ラドス絡みにより塩の権利を傘に聖ドニアス協会が巫女を使って治療する事で大衆の信頼を得ている現状なかなか公には出来ない!!


なので


『戦神ドリス様』


としてフォンティ城塞都市は祭る事にした。


つづく・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る