第308話 308.噂の真偽?

◇◇司祭長コンラッド・ファレル◇◇


ラドス聖ドニアス協会のルイス・ラドス枢機卿から

『一週間程前からレイアード城塞都市聖ドニアス教会の司祭長ギディオン・テルフォードと連絡が付かない。司祭長ギディオン・テルフォードはエデン城塞都市でラドスよりも質が良くて安価な真っ白な塩が大量に販売しているらしい情報をつかんだ

エデンはレイアード城塞都市領主とも懇意にしているようだ。早急に調査しドニアス神様の鉄槌を下す


という通信の魔道具からの送信を最後に通信が来ない。

至急調査せよ』


そんな指令が届いた。

ルイス・ラドス枢機卿の指令は無視できないが・・・

ペソラ城塞都市は人口11万人

人口こそ多いが6万人は周囲の城塞都市を殲滅し取り込んだ奴隷達だ

奴隷の数の方が多い


実質は人口5万人の城塞都市に過ぎない。

この膨大な奴隷の数を生かして周囲1キロペソラ湖も周りに発展した小さな漁業の街だった。

それが今のペソラ城塞都市領主ジョナン・アドラムによって周囲の城塞都市を亡ぼしその滅ぼした民衆を奴隷とする事で周囲5キロの城塞を築きその広がった肥沃な大地で小麦を生産

今では周囲1キロのペソラ湖から採れる淡水魚と小麦により潤っている。


1年前まではペソラ城塞都市聖ドニアス協会も10人もの聖職者を抱える協会だったが、『この世界の城塞都市にドニアス神様の教えを広げよ』という神託が下り、聖職者も周囲の城塞都市へと散らばって行った


なのでペソラ城塞都市聖ドニアス協会は私一人なのだ。

その事をルイス・ラドス枢機卿は解っておいでなのだろうか?


その事を考えると


『はぁ~』


ため息しか出てこない。

確かにルイス・ラドス枢機卿の仰る通り、ここ1か月の間にペソラ城塞都市でも10キロ大銀貨5枚というラドスの半分の値段でラドスで作られた塩より安くて質の良い塩が出回っている。


今まではラドスしか製造出来ないという優位な状況があった!!

どう足掻いてもラドスから塩を買うしか無い状態


貴重な塩のお陰で我ら聖ドニアス協会の布教も大変助かっていたのだ。

普通の塩を買えば10キロで金貨1枚から山奥の城塞都市では金貨2枚で販売されている

一般市民が塩10キロをそのまま買う訳じゃ無い

塩1キロ大銀貨1枚で

塩500グラム小銀貨5枚で

そんな風に巷では販売されている


そこで我々聖ドニアス協会の出番だ

そんな高価な塩を聖ドニアス協会教徒になれば・・

塩1キロ小銀貨5枚で買える

塩500グラムならば小銀貨2枚と鉄貨5枚

それが・・

それが完全に崩れてしまう!!

それを思い出してゾッとした私だ


ルイス・ラドス枢機卿がこの状況を非常に不味いと考えてる意味が解った

このままではラドスの塩も売れなくなるし、聖ドニアス協会の意義もなくなってしまう!!


今現在・・聖ドニアス協会が優位に立っているのは『治療の魔道具』による治療

これがある限り聖ドニアス協会の優位は揺ぎ無い!!


気になるのは、最近『聖女様』が現れて病気の人や怪我を治療したという噂が広がっている




『噂ではエデンに聖女様と天使様が現れた』



そんな噂がまことしやかに囁かれている事だ!!

それが本当ならばエデンに全てを持っていかれる

本当ならば


『断罪の魔道具』


を使いドニアス神様の神聖な炎で浄化しなければならない!!



つづく・・・

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