第一章 異世界転移

第2話 異世界転移


俺は今、何も無い真っ白な空間にいる。

例えるなら確か、漫画に出てくる精神と時の部屋のような空間だ。


そもそもなんで俺が、こんな場所にいるのかと言うと・・・俺も知らん!  


俺が覚えているのは、営業終わりにひとりで新メニューの開発に勤しんでいた時、いきなり頭痛と目眩により、冷たい床に蹲り、そのまま意識を失ったまでしか覚えていない。


俺が周りを見渡していると、目の前が急に光だし、いきなりひとりの女性が現れた。

その女性は、まるでルネサンス絵画に描かれるような美しいと、謎のオーラを纏っている。


俺はその女性に話しかける。


「あのう、すみませんがここがどこだか知っていますか?」


 すると女性は俺の質問に答える。


「ようこそいらっしゃいました相田圭太様。

私の名前はフリージア。貴方がたの世界では女神と言われる存在です。そして、貴方をここに呼んだのは私でございます」


おい!なんかとんでも無い事を言ってるぞこの人は?


俺は呆れながら質問をする。


「それでその女神様、なんで俺はこんなところにいるんですか?説明を求めます」


すると自称女神は口を開き


「分かりました。それではまず、なぜ貴方をお呼びしたのかをご説明いたします。信じられないかも知れませんが、この世界は私が作った異空間で、貴方のいた地球とは別の世界になります」


「は?」


俺が混乱していると女神は話を続ける


「そして、貴方には地球とは別の世界に転移して頂きたいのです」


「は?どうゆう事?なんで俺がそんな事をしなくちゃ、なんねぇの?」


俺は一番聞きたい事を女神にした。


すると女神は


「それについてもご説明いたします。

まずこの世界は、貴方達の世界で言う所のファンタジー世界と同じで、魔法があり、モンスターなどが生息します。

そして貴方には、その世界においてある事をしてほしいのです」


俺は女神の話を聞いて、すごーく面倒臭いような気がしたので聞いてみた。


「そのして欲しいって、まさか魔王を倒せとかじゃ無いよな?自慢じゃ無いが俺は料理しか出来ないぞ!」


俺がそう言うと女神は


「ご安心下さい。貴方にお願いする事は、この世界の食文化水準を上げて頂きたいのです!」


「・・・なんで?」


俺は理由を聞いた。いくらなんでも人がいるのなら、ある程度の料理位あるでしょ!


すると女神はとんでもない事を言い出す。


「この世界では、地球の食文化に対して天と地の差があり、一番の美食がガス○やバー○アンなどと同じくらいの味なのです。それなので、ぜひ若くして一つ星レストランのシェフである相田圭太様に、食文化革命を起こして頂きたいのです」


マジでか、いや別にガ○トや○ーミアンが不味いって訳では無いよ!!本当だよ!

ただ、ファミレスより美味いものが無いって酷くね?


女神から理由を聞いた俺だが、なんだか腑に落ちなかったのでさらに質問をする。


そもそも、一つ星の俺よりも上の人はいくらでもいるし、なんで俺なのかを聞いた。


「ふーん。ちなみに聞くけどさ、理由って本当にそれだけ?他にあるんじゃ無い?」


すると女神はドヤ顔で


「流石ですね、その通りです!貴方を呼んだのには他にも理由があります」


「その理由を教えて貰ってもいいか?」


「ええ、現在地球にいる凄腕の料理人の中で失踪しても困らないのは貴方だけでしたのでちょうど良いかなと思いました」


(おいおい、随分と適当な理由だなぁ)


俺は呆れながらさらに質問をする。


「ちなみに、お願いを断ったらどうなるの?」


「別に何もありませんよ!ただ1日1回、私に食事を提供して頂くだけですね!」


「えっ?それだけ?」


「はい、それだけです!あっ!もちろん貴方が困らないように私の方から色々とスキルをプレゼントしますからご安心くださいね!」


「はぁそうですか。分かりましたそれでいいですよ。ちなみに地球にはもう帰れないんですか?」


「いえ、あちらの世界で1年間過ごせば帰れるようになりますよ!」


「マジですか?」


「マジです!」


「それなら、ゆっくりスローライフを過ごしても良いって事ですよね!?」


「もちろんですよ!私への料理を忘れなければ、どうぞご自由にお過ごし下さい」


「そこは確定なんだな。それなら早く転移させてくれ、向こうでゆっくりメニューを考えるから!」


「結局料理の事なんですね!分かりましたそれではいきます!転移!!」


女神がそう言うと、俺の体が光輝き透けていく。

すると女神は、思い出したように


「あっ!ちゃんと言語理解のスキルも付けておきますから安心して下さいね!」


と言って、俺に手を振る


そして、目の前が眩しくなり目を閉じてしまった俺が再び目を開けると、そこは見渡す限りの木、木、木・・・森の中だった。


おいいいい!!!!


女神このやろー!せめて街に転移させろ!!





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