王子様のその後。
ヨイ
王子様のその後。(宮廷編)
第1話 王子様のその後。
あれから月日は経ち、私は21歳になった。
今は実家に戻ってきている。
実家に戻ってきて、なにもしない訳にはいかないので、取りあえず家の手伝いをしている。
と言っても掃除とか洗濯とかではなく、書類の作成や整理などを手伝っている。
そして、合間に剣術の稽古をやったり、本を読んだりして気分転換をしている。
話が変わるが、私には弟がいる。
弟は私の元婚約者と結婚した。
実は弟は、私の元婚約者にひそかに思いを寄せていたらしい。
思いを寄せていたなんて、全っ然、気がつかなかった!全っ然、気がつかなかった!
どうしても伝えたかったので、2回言いました。
なんだって、元婚約者も私の弟と結婚するんだよ!
しかも、二人の間には1歳になる子供までいる。
それがまた、男の子ですごく可愛いんだなぁ…
しかも、もうすぐ二人目の子供もできるらしい。
はっ!話がそれてしまったが、二人の仲睦まじい様子を見ていると嬉しく思う反面、むなしくもなる。
なんか、複雑である。
私も誰か良い人と結婚したいと考えるようになった。
だが、そこには問題が立ちはばかる。
私が件の婚約破棄騒動を起こしたことによって、私に対する周りの評価は一気に落ちてしまい、なかなか私と結婚したいという人は現れないのだ。
しかも、同級生を狙ってみたが、大体の同級生は幼い頃に親から決められた婚約者がいるため、学園を卒業と同時に結婚してしまっている。
どうすればいいんだ!
そんなある日、両親から婿を探している伯爵家の令嬢がいるので会ってみないか?と言われた。
婿を探しているって……えっ!?私が婿に行くのか!?
もしも私が婿に行ったら、弟が実家を継ぐってことだよな。
許せん!!
普通、兄が実家を継ぐだろ!!
なにを考えとんじゃ!!クソ親が!!!
しかし、実際に出た言葉は
「分かりました。今度、会ってみます。」
そして、会うことになった。
両親に逆らえなかった。
だって、怖いんだもん。
やっと、実家に戻ってこれたのに今度なにかやらかしたら、両親からどんなお仕置きをされるか分からない。
私だって、学習してるわ。
そして、当日。
なんで、両親も来るんだよー!
ちょっと会ってお話をして、合わなかったら家に帰って、なんか合わなかったわって言って婿に行くのを誤魔化すつもりだったのに。
チクショーー!(泣)
会ってみた感想は、素朴で可愛かった。
名前は、リリーと言う。
結局、その日に縁談が決まった。
決めるの早すぎるだろと思ったが、やっぱり両親に逆らえなかった。
なんて情けないんだ、私は。
そして、自分の意見が言えないまま結婚式を迎えた。
色んな人が祝福してくれた。
弟も元婚約者も祝福してくれた。
結婚して良かったんだと思うことにした。
たぶん、婿に行かずにいても厄介扱いされてどこかに飛ばされてたと思うし、もし誰かを娶って子供ができた場合、弟を支持する派と兄を支持する派に分かれて争いが起こった気がするからだ。
なので、この結婚を肯定的に捉えよう!
そう自分に言い聞かせた。
そして、結婚生活が始まった。
妻の家だが、実家に比べるとあまりにも家が小さい。
前に修行で親戚の家にお邪魔させていただいたことがあったが、あそこよりも小さい。
まあ、慣れるしかないな。
そんな上から目線で偉そうなことを考えていたが、婿になって早々周りに敵を作ってしまってはいけないので大人しくしておくことにした。
学習したのである。
私は妻になったリリーの仕事である、領地の開拓の手伝いをすることになった。
リリーは一人っ子で、親は二人目の子供もほしかったができなかったそうだ。
リリーは領地を守らなくてはいけないので、幼い頃から色んなことを親から学ばされたそうだ。
リリーの両親は今は、王都にある別邸にいる。
リリーのお父さんは宮廷で働いていて、別邸から宮廷に通っている。
なので、本邸で私たちが領地を取り仕切らないといけないのだ。
さっそく、私は領地の状況が書いてある書類を読んでみた。
読んでみたところ、あまり経営が上手くいってないようだ。
しかし、農業が盛んな領地だ。
特に玉ねぎの生産が多い。
そういえば、今朝は玉ねぎの入ったスープが食事に出てきていたなと思い出した。
この玉ねぎをもっと色んな所に売っていけば、経営も回復するかもしれない。
だけど、この領地の玉ねぎを色んな所に広めていくにはどうすれば良いのだろう。
とりあえず、玉ねぎについて調べてみることにした。
分かったことは、玉ねぎにはケルセチンと言う成分が多く含まれているそうだ。
特にケルセチンは、皮に多く含まれているそうだ。
ケルセチンは抗酸化作用があり、シミやシワ、肌荒れなどの老化防止の効果があるそうだ。
これを広めて、玉ねぎを色んな人に沢山売れば経営も回復するかもしれない。
そして、リリーとティムの奮闘が始まった。
つづく
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