「無」能力だけど有能みたいです〜無能転移者のドタバタ冒険記〜《反逆の章》

ミケネコ ミイミ♪

美鈴、水難にて異世界に旅立ちます

 ここは、とある世界にある町外れの道沿い。


 すでに、辺りは陽が沈みかけ暗くなりつつあった。そして、夕方のためか誰もこの道を通る者はいない。


 その少し先の方では、一人の女性がブツブツ言いながら坂道を登っていた。


「ハァ……。この坂はなんでこんなに急なんだぁ〜」


 そう言いながらひたすら登っている。


「あ〜あ。今日も仕事でとんでもないミスをやらかしたぁ。どうして昔から何をやってもダメなのかなぁ」



 この女性は、武野羽美鈴むのうみすず、二十三歳。とあるゲーム会社に勤めるOLである。


 茶髪で長い髪を、白と黒のシュシュで一つに纏め縛っている。前髪は、目が隠れるほど長くボサボサだ。


 見た目は悪くないのだが、性格がズボラなせいで化粧などせずいつもスッピンである。


 日々の仕事がハードなせいか、いつも疲れた顔をしていた。


 趣味といえば、ネットゲーやSNSやアニメ鑑賞ぐらいである。


 ここ最近、休日になると疲れているせいか寝ていることが多い。



 美鈴が坂を登りきると道がなだらかになった。そしてすこし歩くと、美鈴の目の前に水溜りがあり不思議に思い首を傾げる。


(あれ? 今日って雨が降ったのかぁ。確か天気予報では、快晴って言ってたような気がしたんだけど。んー、まぁいいか!)


 美鈴は、ふと子供の頃のことを思いだす。


(そういえば学校の帰り、みんなと水溜りでよく遊んでたなぁ)


 美鈴は昔のことが懐かしくなり、思わず水溜り目掛けジャンプをした。


 そして美鈴は、ピチャっと水を跳ね水溜りに着地する。


 するとなぜか美鈴の体が、水溜りの中へと吸い込まれていく。それと同時に美鈴は、「ゔぐっ!?」と言い水溜りの中へと消えていったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る