第18話 東公先生 角を語る

東公先生ある時旅の土産として鹿の角を貰う。

山中にて落ちてあるも珍なりとて拾い来たると。

東公先生これを戸の内に置き、衣などを掛けて用う。


ある貴人訪れて東公先生の知恵を請う。

帰らんとして戸を見て角に気付く。


貴人自慢していわく。

東公先生良き物持ちたり。されど我、これに倍する大なる角を持つと。


東公先生とぼけていわく。

我が衣我が身の丈に相応しきものゆえ、この角にて足る。

汝の家人に東公の倍する丈の者居るならん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る