第1話  【ハロウィン討伐】

 せかへい 外伝6



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第1話

 【ハロウィン討伐】




 ハロウィンパーティーが始まり、村は大盛り上がり、そんな中、防壁では静かに時が過ぎていた。




「あ〜、あ〜、暇だなぁ」




 エスは槍を持ちながら、そんなことを言う。




「おい、あまりサボるなよ」




 そんなエスにマティルは言う。




 村の中心では祭りが行われているが、今日は二人が門の見張りをしている。




「ま、中では祭りの最中だしな」




 そう言い、マティルは腕を組んだ。




 そんな調子で門番をしていて、しばらく経った頃。




「ん、あれなんですか?」




 エスが防壁の外に何かを見つけた。




「なんだ?」




 それはオレンジ色の球体に下には緑色の何かがついている。




 しかし、草原の先にいるため、その正体がなんなのか遠くて見えない。




「エス、双眼鏡を持ってこい」




 マティルはそう、エスに指示をする。




「はい!」




 エスは急いで双眼鏡を倉庫から持ってくる。




 マティルはエスから双眼鏡を受け取ると、汗を流した。




「あれは…………」




「どうしたんですか?」




 マティルはエスに双眼鏡を渡す。




「モンスターについて知識はあるか?」




「少しですが……」




 エスか双眼鏡を貰い、さっき遠くに見えた物を見てみると、




「あれは!?」




 顔のついたカボチャが三つほどあり、その下にはウネウネとうねる緑色の蔦。




「ランクBのモンスター、カボトレントだ」





 カボトレント。木に擬態するモンスターのカボチャバージョンであり、カボチャなどが大量に実る頃に、カボチャ畑などに隠れて、農家を襲う。




 基本的には収穫の前に冒険者を雇い、討伐をお願いするモンスターである。




 しかし、あの個体はどういう経緯で草原に現れたのかが不明だ。




 どこかで自然に実っているカボチャに擬態にて誕生したのか、それともどこかの村で討伐に失敗してここまでやってきたのか。




 だが、どちらにしろ。




「エス、武器を持て! 俺たちで討伐するぞ」




 マティルはそう言うと、腰にかけてある剣を抜く。




 村では祭りの最中だ。ここは門番である二人で討伐したい。




 それに奴がトレントと分かったからには、ここから離れるわけにはいかない。

 奴を一度でも見失えば、すぐに擬態してしまい、探すのが困難になってしまう。




 犠牲を出さないためにも、見えているうちに討伐するの一番だ。




「はい! やりましょう!!」




 エスも門の柱に横掛けに置いていた槍を手にする。




「俺たちで討伐する!!」




 二人はカボトレントに向かっていった。





 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 今回は村の門番であるエスとマティルのお話です。



 ハロウィンの話の続きになります。



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