第2話  【反転世界 其の2】

 せかへい 外伝5



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第2話

 【反転世界 其の2】





 シーヴが言うには最近噂になっている反転村に行ったことがある人物がいるのだと言う。




 反転村とは全てのものが反転していると噂であり、とても人間の住めるような環境ではないはずなのに、そこに暮らす村人がいるというもの。




 だが、実際には噂の領域でおり、確証のある話ではない。




 ある話だと、その村の重力は天に向かって落ちており、その村から落ちると天界に行くことができるとも言われている。




「それでその村に行ったことがあるってのは誰なの?」




 エリスが聞くとシーヴはニヤニヤする。




「少し興味が湧きましたか?」




 しかし、エリスは冷たく一言で返す。




「……ええ、そうね」




 ちょっとシーヴは落ち込むが、すぐに立て直して説明を始める。




「それでですね! 一緒に調査しませんか!!」




 シーヴが勇気を出して、エリスに一緒に調査をしないかと聞いた。






 まずはその反転村に行ったという人物を探すところから始まった。




 生徒達に聞き込みをして、学校中を歩き回る。そしてしばらく探し回った末にやっとその人物を見つけることができた。




 その人物は新入生であり、まだ少し幼さが残る女の子。




 彼女の教室に行くと、すでにその子の周りには生徒達が集まり様々な話をしていた。




 エリスとシーヴはその輪を割って入り、その生徒の前に立つ。




「少し良いかしら?」




 エリスがそう聞くと、周りの生徒がエリスの顔を見る。そして衝撃を受ける。




「え、エリス先輩だ!!」




「ほ、本物!?」




 エリスは校内ではもう名前が十分に広がった大物だ。




 凄まじい魔法の才能と知識を見せつけて、この学校に入学した。

 それにそれだけではなく、すでに先生達を超えており、もう卒業できる実力を持ちながら学校に残っている理由は、先生達に授業をしているという噂がある。




 女性生徒は聞く。




「えっと、私に何か用ですか?」




 まさか、自分に話しかけてくるとは思っていなかったのか。少し驚いた様子だ。




「反転村について話を聞かせて欲しいの」







 エリス達は女性生徒を連れて、校内にある中庭に移動した。




 中庭は花や草木が整理されて育てられており、風水なども設置されている。




 エリス達は屋根付きの大理石で出来たベンチで座る。

 真ん中にはテーブルがあり、それを囲むように椅子が設置されている。




 早速エリスは本題を聞く。




「それであなたは本当に反転村に行ったの?」




 すると、女性生徒はゆっくりと口を開く。




「はい、一度だけですが、小さい頃に……」




 続く






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る