ラジオゾンデ詩集
小林素顔
気球
ご機嫌うかがいの気球
上昇し 旋回し 墜落する
ずっと呼吸を堪えて見ていた
空はいつも頭上で
雲を彫刻する
こちらのことなど知らずに
それは必ず遠くにあって
見上げる 手を伸ばす
しかし 触れられない
測定された空模様を
詩だとか 真実だとか
言わずにいられない 人間
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