あの匂い
肌に触れた瞬間にだけ香るあなたの匂いを
私は知っている
その一瞬の香りを
私は今も覚えている
あなたの髪をかきあげた時だけ
あなたと密着して首の辺りに私の顔がある時にだけ
あなたと手を繋いだ後にふっと香る
そんな匂いを今も覚えている
そんなはずはないのに
今日街ですれ違った人から香ったあの匂いで
全てが蘇る
そんなはずはないのに
振り返ることは反射的だった
だけれども
君じゃなかった
匂いと記憶は
どうもこうして繋がりをもっているのだろう
花束と塩味の歌を、 鳥谷原 菜月 @canolaluna
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。花束と塩味の歌を、の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます