花束と塩味の歌を、

わがまま

多分私はわがままだ

彼の連絡が鬱陶しいなんて

彼との会話が楽しくないなんて

彼のお願いに疲れているなんて

彼の愛に飽き飽きしているなんて

好き

愛してる

何度も何度も私の耳に囁かれた言葉は

いつしか同じ言葉での返事を強要された

「愛してるは？」

「もう好きじゃないの？」

「浮気してないよね？」

「愛してるよ」

「ねえ、愛してるは？」

「愛してるって言って」

「今何してるの？」

「今日何するの？」

「友達と遊んでたの？誰と？男の子はいた？」

「楽しかった？」

「いいけどあんまり遊んで欲しくないな」

「いいんだけどね、束縛はしたくないし」

「ねえ、僕以外に毎日話してる人っている？」

「ねえ、話したい」

最初は可愛らしいなんて思ってたことも

段々と可愛らしさを無くしていった

最初は心配してくれてるんだなって思ってたことも

段々と鬱陶しくなっていった

でも、君がしてきてくれたことには

感謝しかないんだよ

いつもいつでも会いたいって言ったら

会ってくれたね

手紙もたくさんくれたでしょ

一日何回もメールを送ってくれたね

毎日毎日話したでしょ

プレゼントもくれたね

ねえ、私はわがままだよね

こんな彼氏がいるのに

離れたいなんて思ってるのは

彼は優しいのに

彼は思いやってくれるのに。

だけど私が苦しく感じてるのは

気づいてくれないんだね。

わがままだよね