第76話 採掘

報酬を受け取った後、俺は鉱山に向かった。


ゴーレムの事件からまだ少ししか経っていないにも関わらず、すでに開放されていたのだ。




『みんなしたたかに生きてるなぁ…』




中に入ってみるとゴーレムはおらず、ワームばかりいた。




『解決してよかった…』




今日の目標はワーム魔物を倒して”鑑定&略奪"をしつつ、採掘をすることだ。


”幸運”スキルを習得しているのでいい鉱石が掘れたら嬉しい。




『狙いはもちろん伝説のアダマンタイト鉱石だよな!!』




ミスリルやオリハルコンなどの希少鉱石も欲しい。


そんな期待を抱いて鉱山に入った。




「おうダグラス!今日は採掘か?」




「アッシン!!ああ!おすすめの採掘ポイントはあるか?」




「そうだなぁ…例のインプを見つけたところに行ってみたらどうだ?


おそらくダグラスしか存在を知らないだろうし…独占できるぞ!!」




「確かに…ありがとう!!」




「気にするな!!」




俺は”マッピング”を見ながら進んでいった。




『あの時はゴーレムを倒すのに夢中で気づかなかったが…だいぶ遠いな。』




ワーム系やゴーレム系と数回遭遇したが、難なく倒して目的地についた。


途中で気づいたのだが、ここは未踏破区域に属していた。




『道理でインプが堂々と拠点を構えていたわけだ。』




採掘を始める前にここを探索することにした。


改めて来てみると薄暗いうえに少し寒く、不気味な場所だ。




『結構広かったんだな…いくつか部屋もある。』




まずは倉庫らしき場所に入った。


すると、大きな樽が5つ並んでいた。




『何が入ってるんだ…?』




危険物だった場合に備えて万全の状態を整えた。




『…よし、開けるか!』




1つ目の中身は全て鉄鉱石だった。




「…ん?」




2つ目を開けてみると、全て銅鉱石だった。




『…もしかしてこの施設を作るときに採掘した鉱石を入れているのか?』




それぞれ3つ目と4つ目は石炭、5つ目は魔石だった。




『種類で分けて収納するとかA型かよ。ってかなんで魔石があるんだ?』




調べてみると、どうやら”ゴーレム生成”をするには核となる魔石が必要らしいのだ。


ちなみに、使用する魔石のランクによって生成できるゴーレムのランクが上がるらしい。




『魔石を媒介にしてあの程度のゴーレムかぁ…あまり有用性が無いな。』




魔石は全て”魔石吸収”をし、残りの鉱石は全て”アイテムボックス”に収納した。


そして再び探索を始めた。




『ここは…インプと戦った場所か。』




戦闘の影響で物が散らばっており、動きにくい。


ここにはゴーレム研究の資料が散らばっていた。




『今後参考になるかもしれないし一応回収しておくか。』




資料をすべて”アイテムボックス”に収納し、探索を続けた。


他の場所は休憩室と実験室で、何もなかった。




『探索も終わったしそろそろ採掘を始めるか!!』




使用するピッケルは、ゴーレム事件の際にアッシンにもらったものだ。


鉱山を出てから返そうとしたのだが、もらってくれと言われたのでもらったのだ。




『そういえばこの施設内で魔物を見かけていないな。ここでは発生しないのか…?』




一応”レーダー”を常時行使しておくことにした。




俺はピッケルで土を掘っては出たごみを”アイテムボックス”に収納してを繰り返した。




『やっぱりなかなか出てこないものだな…』




数時間が経ち、結果は鉄鉱石×21と銅鉱石×13、石炭×19で希少金属は0だった。




『つまらないなぁ…どうせ海龍の鱗の方がランク高いしもうやめるか。』




飽き性な性格が出てしまった。


しかし、今改めて考えてみると希少金属を発掘するよりもステータスを上げる方が優先事項だ。




それから俺はゴーレム系とワーム系を倒しまくったのだが、それほど多くは倒せなかった。


なぜなら、鉱山内にあまりいなかったのだ。




『明日から狩場変えるか…でもダンジョンと森林フィールドしかないぞ…?』




ギルドに戻り、狩場の相談をすることにした。




「あ、ダグラス君おかえり!」




「ただいまテレサ。ワーム系とゴーレム系の狩場のことで相談があるんだが、いいか?」




「もちろん!それで、どうしたの?」




俺はその内容を説明した。




「なるほど…確かにダグラス君の討伐数は多いから鉱山じゃ不満だね。森林フィールドに行ってみたらどう?」




「でも森林フィールドだとワーム系とかゴーレム系がいないんじゃ…?」




「鉱山に近ければ発生するから森林フィールドにもいるの!」




「そうなのか…ありがとう。」




「どういたしまして!」




それから俺は魔物の討伐報告を行った。


鉱石は今後”鍛冶”スキルの熟練度上げをする際に使用するかもしれないので”アイテムボックス”に収納しておいた。




明日からは”鑑定&略奪”に専念して強くなろうと思う。

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