第128話 営み

スナップ写真を撮りに街にでる。

このカメラは何枚かに一枚、どういうわけか過去の風景を写す。時代はさまざま。時代が古過ぎて海の中だったりもする。地球の営みもそれはそれでおもしろいけれど、人類の営みのほうを見たい気持ちが強い。


そこに写されるのはなんだかフィクションのように見えてしまう。同じ日本だけど時代が下れば風俗が違い、人の体格が違い、漂っている雰囲気が違う。別の世界みたい。

だけど笑い顔であったり疲れきった姿だったりするのは今と同じ。


そんな写真をまとめて見ていると、他人事(ひとごと)のような我が事のような、知らない出来事のような経験したことのような、なんともあいまいな心持ちになる。


今日はどんな写真が撮れるだろう。

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