第241話 着払い

玄関を出れば、

結婚の挨拶をしに行った僕を、

けんもほろろに追い返した父親を捨ててやったという君だった。


「それで…ごめんなんだけど…」


上目遣いに僕を見る君は、

怒りにまかせて旅行鞄に、

のべつ幕無し荷物を放り込んだので、

財布が見当たらないという。


来てくれた君のタクシー代なんて安いもんさ。




★☆★


『君』という荷物を受け取って、タクシー代という着払い料金を『僕』が払った。

って事だ。



☆★☆


次のお題は〖ブラックホール〗

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