第181話 泣き虫

同じ団地の、大人しくて泣き虫だったあの子を、

ガキ大将の哲平から守り続けて十数年。


子供の頃によく遊んだ公園に呼び出され、

ドキドキして待っていると、やって来たのは、二つの影。


「今迄、言えなかった俺達も悪いんだけどね。俺と哲平、付き合ってるんだ」

 

そんなバカな…二人ともゲイだったなんて。




★☆★


まぁ。なんだね。

子供の頃は、「弱い物イジメすな」っていう正義感だったんでしょう。

年頃になって、友達たちが、"俺"君派や哲平くん派なんてのができるくらい男前に育ち、その二人と普通(?)に話せる自分に酔っていったって感じかな。

それで、まぁ、なんとなく

(本命は”俺”くんだけど、哲平でもいい)みたいな感じに思うようになっていって、

”俺”くんと哲平くんの間に割って入り、”俺”くんを守ってる風に、哲平くんに口喧嘩をふっかけたりなんかして、周りの女子に軽い優越感に浸ってたんじゃないの?


こういう結果になったとはいっても、まだ、高校生になったばっかしぐらいの年齢で、恋に恋して、っていうか、自分を中心に地球が回ってるって思ってる年頃ですから。


二人が、言う必要もないのにカミングアウトしたのは、

哲平達側の自分達に恋心(?)を抱く幼馴染に対する誠意でしょうか。

自分達に本当に恋してない、って事も解っていたのかもね。





一回、BL脳に陥ると、戻せなくなるのは、やっぱり一度、突っ込んだ両足は、洗いきれないものなんだよ。(;^_^A



☆★☆


次のお題は〖今日このごろ〗

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