第30話 色々と世界は滅茶苦茶な状態
「なるほど。 ていう事は、この世界には異世界の人間―――それにそれ以外の種族がごまんと存在していると?」
『はい! 恐らくは魔法か何かの類で隠蔽をしているのでしょうが―――あ、八時の方向にモンスターです』
ズガガ!!
『グォォォ!』
目の前の狼の様な見た目をしたモンスターは俺の発射した銃弾で息絶える。
名を”ウルフ”と言うらしいが、それならもうちょっと変わった名前を付けてやったらよかったんじゃないか? と俺は思っている。
『ですが、今はこの世界に”異世界人”が紛れ込んでいる。 と言う事だけ覚えておいてください。 まだ時ではありません』
「まるで何かを待ってるみたいだな?」
『え? そうですかぁ~? まぁ、
等と、俺の右高にちょこんっと乗ったブイはそう告げる。
今現在、俺達は次なるダンジョン――”グレート火山”と呼ばれる場所へやって来ていた。
「にしても、ダンジョン内に火山があるなんて…これ脱いだらやばい?」
『
「え、縁起でもない事をいうなよ!?」
確かに、このダンジョンへ出発する少し前…家族や妹にやたらと心配された記憶がある。
なんでも、魔力をほとんど有していない俺は劣悪な環境下ではまず”即死”するだろうと告げられた。
『この世界の人間って、魔力があるからこそ…こういう環境でもどうにかなってますけど。 普通の人間は死んじゃいますよ? 50度は軽く超えてますし』
「だよな…にしても、すげぇな。 まるでファンタジーだ」
『すごいですね~! まるで”別の世界”がそこにあるみたいです!』
「別の世界か…ブイ、お前はエルフとかって存在してると思う?」
『う~ん…してるんじゃないんですか? 異世界とがっちゃんとしてるって事は』
だよな。 ブイに言われて初めて俺はこの世界に疑問を持ち始めた。
確かにレッドレイン以前までは”国”としてこの世界の大陸は区分されていたと聞く――日本やアメリカや中国等と言った国や存在し、~人とかいう括りで呼ばれていたらしい。 だが、それももう過去の話だ。
『おかしいと思いません? ギルドでこの世界って成り立ってるんですよ? けど、一杯ギルドってありますよね? 一体何の組織がそれを管理しているんでしょうか?』
「…言われてみれば」
『いやいや、面白い世界ですね~ここは!! 楽しくなりそうですっ!』
「そうかよ。 俺は絶賛頭を抱えている所だ」
『まぁまぁ、ゆっくりやりましょう!』
所で、Zはいつ頃休眠状態から回復するのだろうか。
―――――――――――――――――――――――
『シャァァァァ…』
「こいつは?」
『ファイアリザード。 炎を操るでっかい蜥蜴ですね。 その名の通り、特徴は炎の魔法で相手を攻撃するちょっと厄介なモンスターらしいです。 まぁ』
「シールドで防げばいい話か」
俺は目の前の赤い蜥蜴が魔法を放つ動作に入ると目の間にシールドを構える。
あのゴブリンとの戦闘を経て理解したことは、このシールド…”近距離の攻撃を防ぐ”用ではなく、どうも魔法の類を防ぐ事に特化しているようだ。
『攻撃、きますよ~』
チュドンッ!!
目の前で小規模の爆発が起こる―――が、シールドに防がれた火の玉はすぐに消え去った。
「なるほど。 そもそも用途が違ってたわけか」
『ふむふむ、そうらしいですね。 これはシールドを構えながら進んでいく方が有効みたいですねっ!』
「あぁ」
てっきり、身体で受けるか避けるの2択しかないと思っていたんだが…まず身体で受けるにもダメージが大きすぎる。 あとは避けるにしても、このアーマーは初動の動きがどうしても鈍い。
走りだせばどうって事はないんだけどな…それまでの初動がどうしても遅いせいで回避には向いていない。
それにしても、全然レベルが上がらないのはどういう事だ?
―――――――――――――――――――――――――――
アーマー名:アイアン(ノーマル装備)lv1(rock)
AP:4000
EN:40
攻撃:40
覚醒攻撃:5
防御:35
機動力:40
アーマースキル
マガジンドロップ
―――――――――――――――――――――――
気付けばレベルの隣に『rock』という文字が表示されたまま、一向にレベルアップの兆しが見えない。
「なぁ、ブイ? アーマーのレベルが上がらないが、どうなってんだこれ?」
『ふむ。 おかしいですね、そろそろ上がってもいい頃合いだと思うんですけど―――』
その時であった。
ブー、ブー、ブー、ブー!!1
「!? どうした!? ブイ!?」
『気を付けて下さい! この先から、強大な反応を感知したであります!! 冒険者達と戦闘中のようです―――』
『グォォォォォォォォ!!』
ゴゴゴゴゴ!!
凄まじい地鳴りが俺達を襲う。
あれは? モンスターの鳴き声か!?
「っていうかまだ1階層だろ!? どうなってんだ!?」
『解らないです! ですが、冒険者達からの生命反応からして―――』
「ったく!! 行けばいいんだろう!?」
『理解が早くて助かりんぐ!』
俺はマップにマーキングされた位置へ全速力で駆けていく。
確かに、このまま見捨てるというのは後味が悪い気がする―――とは言え、少し無謀じゃないか!?
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