第3話 アーマー開発
何とか様々な形をした機械の獣を排除する事に成功した俺はZに尋ねる。
「と、というか…いつまでこんなことを続ければ?」
APも気付けば50%をきり、アーマーのレベルは気付けば5になっていた。
しかし…回復する様子をみせないこいつを纏っていっては、時期に俺は死ぬ…
『あと1レベルです。 頑張ってください』
「あと1?」
『それではチュートリアル1st最終フェイズへ移行致します』
「え?」
ガゴンッ!!
突如俺はよく解らない白い空間に居た。
なんだここは? さっきまでの洞窟っぽい雰囲気から一転、気味の悪い場所だ。
『warning―――warning―――warning。 高熱源体接近、注意してください』
「注意しろったって…目視―――――」
ドゴンッ!!!
すると次の瞬間、途轍もない衝撃が俺の身体を襲った、これはいままでの比ではない…痛みを感じるレベルだ。
「ぐはっ!!!」
『AP残り39%。 強制解除の危険があります――――』
「おいおいおい、まてよ!? なんだよあれ!?」
『ワォォォォン!!!』
目の前には全長18mはあろう巨大な虎のような姿をした機械の獣が立ちはだかった。
いままでの比じゃない、あいつの攻撃を次に食らえばこちらとてひとたまりもないだろう。
改めてアーマーのステータスを見る。
――――――――――――――
アーマー名:レーヴァテイン lv5
AP:15000
EN:150
攻撃:150
覚醒攻撃:150
防御:170
機動力:150
――――――――――――――――
防御力極振り…こんな事ならば、攻撃力や機動力にもポイントを振っておくべきだった。
『ガルルルル…』
「そんな事を言ってられないか…生きるか死ぬか。 こっちは素手で向こうは爪…明らかに不利じゃないか!? ええぇい!! やるしかない!!」
俺は何時もの様に相手の懐にダッシュで飛び込むと、拳を大きく振りかぶる。
「おらぁ!!」
ゴンッ!!
『ギャオン!!』
よし、効いてはいるぞ!!
「次の攻撃―――なっ!?」
だが、相手はすかさず鋭い一撃を俺にお見舞いする。
ザクッ!
とても鋭い爪だ、俺のアーマーもただでは済まない。
「ぐあっ…!!!!」
マジで痛い、気を抜いたら気絶しそうなレベルで痛い。
『AP残り34%。 攻撃に転じて下さい』
「解かってる!! こっちだって必死なんだよ! 武器は!? なにか武器はないのか!?」
『ありません』
つかえねぇ!! じゃ、なんなんだこのアーマーは!?
まさか永遠とこうやって肉弾戦を繰り広げるっていうのか? 割に合わない…
「くそぅ、考えるな。 今は全力で向かうだけだ!!」
どうせ死んでいたような人生なんだ、だったら一度くらい死ぬ気で何かをやってみるのも悪くない。
「うぉぉぉぉぉ!!!」
――――――――――――――――――――――――――
現実とはあまりに無慈悲である。
ピコン、ピコン、ピコン、ピコン。
鳴りやまぬ警報音と身体の至る所から聞こえてくる悲鳴。
「………ぐっ…」
『AP残り9%。 危機的状況です――――」
言われなくても俺自身が一番それを感じている…という事すら言う元気ももう残ってはいない。
やっと力を手に入れたかと思えば理不尽な試練――――俺の人生は今思うと何もない人生だった…。
今でも俺はあの景色を思い出す。
16歳を迎えた春も頃、この世界の人間は”スキル覚醒の儀”という事を行い…普通の人間から”覚醒者”へと変貌を遂げる。
例外は無い、ただ当たり前にスキルが宿りステータスというものを得る事が出来る。
だけど俺は違った…あの日を境にすべてが狂い始めた。
そう、何もかもが…
「だから…ここで野垂れ死ぬ訳にもいかないんだ。 俺はまだ…両親達に何も返してない。 立て俺!! あんな奴に負けんな!!」
一か八か…死ぬ気で、全力で力を込めてあいつに拳を叩きこむ。
チャンスは一度、次に攻撃を食らえば俺は終わる。
『ガルルルル!!!』
今見るだけでも手足が震えそうだ。 あいつの顔を見ただけでも以前受けた痛みを思い出すかのように俺に恐怖心を与える。
だからこそ俺はもう止まる訳にはいかない!!
「うぉぉぉぉぉ!!」
ガタン、ガタン、ガタン、ガタン!!
『グルルルル!!!!!』
「全力全開だ!! 俺の全部…受けてみろ!!」
『エネルギーチャージ開始――――すべてのエネルギーを拳に纏います』
――スキルアクティベート。 エネルギーナックル――
と目の前に表示さてた。
「え? 拳が赤く!? これなら! いけぇぇぇぇ!!」
『ガルッ!!』
ドゴンッ!! 俺の拳が相手の獣の腹部を捉える。
が――――
『グォッ!!』
「浅かったか!?」
バゴンッ!!
反対に獣の爪が再び俺の腹部を捉えた。
「くそっ!!」
しかし――――
『アーマーレベルアップを確認。 レーヴァテインMark2(実戦配備型)へ開発を開始致します』
「え? Mark2?」
すると次の瞬間。
俺の身体が光り輝くき、気付けば俺の手には剣と盾…腰には何か銃のようなものがマウントされていた。
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