もしも、過去に戻れたら……。
「やり直してえ……」
もしも、やり直せたら……。
噴水の手前の幹線道路。突っ込んできた、居眠り運転の車に轢かれた彼女。病院のベッドに横たわる彼女の小麦色の手を、俺は握っていた。彼女の臨終を告げる医者の声が、嫌な現実味を持って、俺の耳に届いた。
「やり直したい?」
彼女の声が、聞こえた。抑揚の小さいその声が、小さな波を立てた。彼女の陽気な喋り方とは違う声。でも、たしかに、馴染んだ彼女の声。
「やり直したい」
「なら、やり直そうよ」
だって、おかしいじゃん。
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