　古来、魔術を極める上で肉体の改造は不可欠であった。

体内にエーテルの吸収、放出を促し、魔術を扱いやすくする機関を設けたり、外部の敵から身を守る即効性の武器を備えたり……

　それをより肉体的な戦闘向けに洗練させたのが『魔改造』である。

　古くは、とある魔狩人が魔術師に教えを請うた上で作り出した術であり、はるかに戦闘力で人間を上回る魔物へその身と武器のみで立ち向かう彼らにとって、魔改造は非常に有用な術であった。

　『魔改造』と聞くとどうしても外科的な施術をイメージしがちだが、実際には人の魂そのものを弄り効果を植え付ける。

　さながら刺青を彫るが如く魂に術式を刻み込み、身体能力へ向けられる魂内のリソースを魔改造の効果へ向けさせる。

　こうすることで、およそ1ヶ月から2ヶ月程度の期間をかけて魔改造の影響が肉体に現れる。

　死後は術式が解かれるので転生後はあらゆる魔改造がリセットされ純粋な肉体へと戻る。

　これがその大まかな仕組みである。

　また、「魔改造を創設したのは魔狩人だが、それを洗練させたのは暗殺者」という話は界隈の者にとって有名。

　その暗殺者とて実は魔狩人の異端が創設者。

　その者共は魔改造で得た力をより洗練させ、人に向けている。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい