第36話 巫女とのお勤め1

 双子の杏奈と環奈は、病気療養名目で中学校を休学することになっていた。

 出産後は早いうちに復学予定。権力の力で、留年無し。

 もちろん、勉強はしっかりする。

もともと二人とも成績は良いし、優秀な恵美と沙織がついている。

 …こう見えて、恵美は学校トップの成績を誇る優等生。沙織が次席なのだ。

この二人が勉強を見るので、心配ないとのことだ。


 沙織も出産・授乳が終わるまでは、大学は休学。

 恵美は退学し、出産後の四人の子を育てることになっているらしい。


 あと問題は、総理の孫三人の警備だが、姓も違うし、一般には山本家と総理のつながりは、あまり知られていない。

 だが、中学生が妊娠・出産などと知れたら大ごとなので、公安が警備し、色々工作するようだ。


 また、恵美の母親が剣術道場師範で、恵美も師範代の腕前。

であるから、恵美は親友であと同時に、かつ三人の警備員的な役割を、これまでもしていた。

 これからも同様だし、道場からの応援もあるようだ。


 ちなみに、この道場、表向き剣術道場だが、実態は忍術に近いかもとのこと。

これも、当然、尾賀家の使命を果たすための手段と実益を兼ねたモノだった。




 順番に風呂へ入り、就寝時間。

いや、大事な、大事な、祝部と巫女のお勤めの時間だ。


 七人も一緒に寝られる広さがあるのは、母屋の座敷しかない。

仕方なく、机をどけてそこへ布団を敷いた。

 布団は来客に備えた物か、押し入れに十組も入っていた。よって、事足りる。


 だが、みんな同じ部屋で寝る必要があるのだろうか…。


 そもそも、一晩に六人相手しろというのが無茶すぎる。

例えば、半分ずつの交代でも良いではないか……。


 が、これも、恵美のゴリ押しで却下となった。


 妻・妾は、セックスに関してはみんな平等で、同じ回数してもらう権利がある。

 そして、他の人がしているのに自分は我慢させられるなんてこと無く、毎晩満足させてもらう権利がある。

 さらに、安産の為には一回でも多くセックスする必要がある。

 だから、毎晩六人とせよというのだ。


 まあ、ゴリ押しといっても、女性陣からは全く異論が出なかった。

つまり、六人の総意であるとも言える。


 いずれにしても、慎也にとっては頭が痛い。

 恵美はニヤニヤしている。小憎らしい奴だ。




 準備が整い、さあ誰からということになった。

 なぜか、この時ばかりは恵美が仕切らない。

 それを見て、舞衣が慎也に耳打ちした。


「ねえ、あの子、懲らしめてやらない?

あのフィンガーアタックで!」


 フィンガーアタック…。

 命名者は舞衣。当初は「指で」とか、「指責ゆびぜめ」とか表現していた、例の指でののことだ。

 「癒しの気」を強く放出している慎也の指でを刺激されると、快感を通り越して拷問と化してしまう……。


 舞衣は、悪戯いたずらっぽく笑う。

 鋭く舞衣の笑いに気が付き、恵美が指摘した。


「何か、怪しい相談してる~」


 慎也が、おどけて答えた。


「何をおっしゃるウサギさん。

正妻様からは、今日は君たち優先で良いという、有難~いお言葉ですよ。

祥子さんも良いですね?」


「ああ、正妻殿がそう言うなら、仕方あるまい。

我らは昨日もしてもらっとる。同意じゃ」


「よし、では、今日の順番を発表します。

一番恵美さん。二番杏奈さんと環奈さん。三番、あ、四番か、沙織さん。それから、祥子さんで、最後が舞衣さん」


 恵美は、実はもう少し後の順番が良かった。

 仙界で、楽しみにしていたのを、お預けくらってしまっている。最初は射精が早いから、後の方で、じっくり時間をかけて可愛がって欲しかったのだ。

 しかし、そんなことを自分から要求するのはハシタなく思え、プライドが許さない。

 卑語は口にしても、自分の「本心」をさらすのは恥ずかしい……。

 そこで、いろいろ難題をふっかけて、自分の番を後回しにさせようと考えていたのだった。


 思惑は外れたが、最初でも十分楽しめるし、明日からもあるので受け入れた。

 この後の自分に、どんな地獄(天国?)が待っているかも知らず……。



 そそくさと裸になって、恵美は慎也の布団にもぐりこんで来る。

 慎也は右手の人差し指で、恵美の額をチョンと軽く突いた。


「さあて、この悪戯いたずらっ子。覚悟しろよ」


「何のことですか~?

私は~、妾のまっとうな権利を主張しているだけですよ~だ」


 恵美は、おどけて舌を出す。


 慎也は、見てろ!と鼻で笑い、恵美の胸を触ろうとした。


 が、その手を恵美がギュッとつかんだ。

 そして、もう片方の手の人差し指で、自分の唇を指す。


「キスから~!」


(あ、あれ? キスの要求?…)


「前、キスはダメって言ってなかったっけ?」


 仙界で恵美は、ファーストキスだけは取っておくって言っていた。

好きになった人に捧げる為に…。


「だ~か~ら~、そういうことです~。

女の子に言わせないで~!」


(セックスとか平気で言うくせに、可愛かわいいとこあるじゃないか)


 少し恥ずかしそうに顔を赤めているのが愛らしい。

 自分に好意を持ってくれたことも嬉しい。

 彼女も、間違いのない癒し系美人(容姿と、話し方限定)なのだ。


 しかし……。

 これくらいのことで、この悪戯いたずらっ子に対するお仕置きは、取り消しにはならない。


 まずは、御本人の御希望通り唇を重ねる。


 舌をからませ、吸い合う…。


 恵美にとっては、ファーストキス。そして、初めての濃厚なキス……。


 胸の膨らみを…。

 小ぶりだが、形状と張りには申し分ない。


  ………。


「ああ~っ」


 恵美は、あえぎ声を発した。


 引き締まった、しなやかな体。

 恵美の細い脚を持ち、開かせる。女の秘部は、もう準備整いつつある。

 が、更に………。


「ああっ、気持ちいい……。ダメ、あ~っ!」


 慎也は、自分の指をめて唾液を付け、そして、それを!


「あ、何? うそ、そんな…。 やだ~、指なんて……」


 しかし、恵美の様子が、だんだんおかしくなる。

 沙織と双子は、何事かと体を起こした。


「あう、ちょ、チョっと待って……。

 え、えええ~。う、うそ。ひいいい……」


 舞衣は、笑いをこらえている。

その舞衣の様子を見て、祥子は理解した。


「はは~、正妻殿、はかったな」


 恵美は、激しくもだえる。


「ご、ごめんなさい。許して……。あうう、も、もうダメ。降参!」


 しかし、慎也は止めない。


「うそ~っ!

 ひい~! イッちゃう! いやっ、死んじゃう~!!」


 恵美は、ビクビクッと大きく体を痙攣けいれんさせた。

 慎也は指を抜いて、すぐに恵美と繋がった。

 そのとたん。


「ひ~!!」


 一叫びして、恵美は潮を大量に噴出!


 慎也は構わず行為続行。

 そして、恵美の中に思いっきり精を放った。


 恵美は泡を吹いて気を失っている。その細い体はピクピク痙攣したまま……。


「め、恵美?! 大丈夫?」


 沙織が自分の布団を跳ね上げて近寄った。


「恵美姉様!」


 杏奈と環奈も同様だ。


「かわいそうに。おイタが過ぎたのう。

あれは、フィンガーアタック。主殿と正妻殿からのお仕置きじゃ。

其方そなたらも気を付けよ」


「私は悪戯いたずらなんて、何もしてませんよ!」

「「わ、私たちもです!」」


 舞衣は、笑いをこらえて涙を流しながら、恵美の秘部をティッシュで拭いてやる。

 慎也が失神したままの恵美を、彼女の布団に運ぶ。

 恵美の潮でベタベタになったシーツは、舞衣が手際よく取り換えた。

こうなることは分かっていたので、シーツの下には染み込まない素材のモノも敷いてある。まさに用意万端になっていたのだ。

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