第3話

酔っ払い運転の車に撥ねられて父ちゃんは

呆気なくこの世を去った。


横断歩道を、青信号だったから

仕事で疲れててそんなに周りを気にすることもなく仕事帰りに、深夜、ドォン...!と跳ね飛ばされたみたいで。


15メートル位、目撃者の人の話だと引きずられて、ガードレールに激突したんだって。


結局。


加害者も亡くなり、被害者である父ちゃんも

あの世へと旅立ったわけだけど。


後に残された俺は、

父ちゃんの口癖を日々思い出す毎日だった。


「シンジ、真面目に勉強しておけよ。

高校で態度よく内申点も良くしておけば

待遇のいい会社に入れると思うから」


「父ちゃんみたいにはなるなよ。ヤンチャしてて勉強もできずに中卒だから、不景気のいま、日雇いの肉体労働しかなくて、

母ちゃんに夜勤までさせて苦労させてるんだからな...」


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