深緑

私の願いをどうか聞いてくれないか

君はここにはもういないから

日は沈んでまた夜は明ける


朝早く起きて着替えて髪をセットして

朝食とって歯をみがいて顔を洗う

空き時間もなくすぐ家を出て

ループループする感覚を

駅のホームで堪能する


ただ緑に染められて溶かされていく

1日をあくびでやり通して日が傾いていく

気付いたら帰路に立ってまたループループする

私の願いをどうか聞いてくれないか

君はここにはもういないから


そっと目を閉じても変わらない姿を思い出してしまうから

深緑の中で息をすぅ空気はどんな味だったかな

歩いていなくてもタイヤは勝手に回っているけれど

暖かな教室の温度に慣れてくの

とりやえず「生きていこうか。」て口癖になってゆくんだ


口癖になっていくんだ


私の願いを聞いてくれないか

君はここにはもういないからさ

ただ笑って ただ叫んで

癒されていた暖かな深緑であるように


緑(りょく)と地を結びつける暖かな正義であるように

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る