第三章 分岐点

第二章 赫灼たる咆哮編のあらすじ

 機械虫を操る奇妙な女の噂を聞いたウルクスは、それがアクィラの事ではないかと疑う。確信は持てなかったが、意を決し噂の広まっている南方の隣国ラカンドゥへと向かう。

 噂を聞きまわっていると情報を持っている素振りの男が接触してくるが、男はデスモーグ族の配下のアサシンだった。襲撃を受けるが危ういところをアトゥマイ氏族の剣士ザルカンに救われる。


 ザルカンは故郷の聖地を冒した機械虫を操る女を探していた。ウルクスは手がかりを求めてザルカンと共にカイディーニ山脈にあるアトゥマイ氏族の集落へと向かう。

 集落に辿り着き副族長に面会するが、突如集落が機械虫に襲われてしまう。ウルクスは襲撃を手引きしたデスモーグ族の仲間だと勘違いされ捕まってしまうが、ザルカンの仲間に助けられ辛くも集落を脱出する。


 ウルクスは近くにあるというモーグ族の集落を探し山をさ迷い、モーグ族との接触に成功する。彼らはアレックス氏族と言い、アレックスの部下でありカイディーニ山脈を拠点に戦いを続けている事を知る。

 最近続発している機械虫の殺害事件はデスモーグ族の仕業であり、モーグ族はその調査の為に動いていた。アレックスの妹であるアレクサンドラは自律機械であるドンキーを伴って行動しており、噂に聞く機械虫を連れた奇妙な女とはアレクサンドラの事だと判明する。

 アトゥマイ氏族の聖地、虫の鍋での虫の殺害もデスモーグ族の仕業であり、虫の鍋を奪うために画策している事をウルクスは知る。そこにはアクィラも現れる可能性が高い為、ウルクスはモーグ族たちと共に虫の鍋防衛の為に戦うことを決意する。


 時を同じくして再びアトゥマイ氏族の集落が機械虫に襲われた。ウルクスたちは虫の鍋に向かうが、そこにも感応制御装置で操られた機械虫が現れ、虫の鍋を守る機械虫たちと戦い始めていた。

 虫の鍋への機械虫の侵入は時間の問題に思えた。ウルクスは虫の鍋の扉を開き内側から応戦することを提案する。扉の鍵は既に侵入したデスモーグ族により妨害措置がなされていたが、ドンキーがウルクスの使用する白いグローブに内蔵される上位権限を使用し強制開錠する。内部からは大型の機械虫も現れ、制御機械虫と激しい戦いを繰り広げ始める。


 ウルクスは虫の鍋に侵入したデスモーグ族を追いかけアレクサンドラ、ザルカンと共に虫の鍋内部を進んでいく。そこで目にしたのは解体され溶かされる機械虫の残骸であり、再資源化され新たな機械虫が作られていた。

 途中でアサシンによる襲撃を受けるが、無事最上階の中央制御室に辿り着く。そこにはジョンとアクィラがいたが、虫の鍋破壊の指令を書き込んで逃げて行く。そして感応制御装置により操られたビートルが現れるがザルカンが足止めを行い戦う。ウルクスとアレクサンドラはグローブの上位権限で虫の鍋破壊の指令を打ち消し、逃げたジョン達を追う。


 通路から外に出るとそこはカイディーニ山の火口付近だった。ジョン達は蛾の機械虫に乗って逃げようとするが、ウルクスたちが阻止する。アクィラは自らをジェーンと名乗りウルクスを殺そうとする。だがウルクスはグローブの力でアクィラの人格を呼び覚まし、アクィラは正気に戻る。

 アレクサンドラはジョンを追い詰める。だが、突如現れた黒い鎧の剣士ローガンにアレクサンドラは倒されてしまう。ウルクスは死を覚悟するが、ローガンはジョンと共にトンボに掴まり逃走していった。


 モーグ族の施設に戻りアクィラは検査を受け、ウルクスはその様子を見守っていた。するとアレックスから通信が繋がり、グローブを渡すなという言葉を残し通信が途絶する。

 アクィラは自分の故郷が疫病により滅び家族も死んでいることを知る。記憶を取り戻すために故郷に戻るか、それともモーグ族の隠れ里で生きるか選択を迫られるのであった……。

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