第15話(キスで魔力回復)

ーーリュウはアキに一通り、アナザーシープの事を説明した。アキはあまりに突拍子のない話に理解出来ない。


「リュウ君達は宗教団体の信者?」

「違う違う。これを見ろ」


リュウは左腕の内側を見せた。ゼロと描かれたタトゥーだ。


「信者は刺青を入れるの? うちは嫌とよ」

「あぁもう。どうしたら解ってもらえる!?」

「実際体験しないと信じれない」

「今、眠いか?」

「眠いとよ。パン屋は朝早くの仕込みが勝負やけん」

「じゃあ、アキはソファーで寝てくれ。俺とヤコはベッドで寝るから」

「寝るだけでいいの?」

「多分な」


リュウは冷凍庫からウイスキーを取り出す。グラスも2つ持って、ベッドルームに行く。ウイスキーとグラスをベッド脇のテーブルに置いてからクローゼットを開けて毛布を出して、アキが居るソファーに置く。


「俺とヤコは飲んで寝るから。アキは普通に眠ってくれ。行こう、ヤコ」

「うん」


ヤコはリュウにキスをする。アキに見せ付けるように。アキはそっぽを向く。


リュウとヤコはウイスキーで乾杯する。


「ねえ」

「何?」

「あの子にはお酒を飲ませないの?」

「アキは肝臓の病気、C型肝炎なんだ」

「そう」


リュウの左腕が痒い。タトゥーを見てみると、ゼロが10になっていた。


「さっきのキスで魔力が回復したよ」

「本当だったんだ、それ。嘘だったらちょん切るつもりだったけど」

「怖いよ」


キスで魔力が回復するというのは嘘から出たまことだ。


三人は眠りに付く。リュウはまたサバンナの草原に居た。隣にはヤコだけ。


「良かった~」

「良くないよ。アキが居ない」

「今度は捕まってない」

「ああ。そうだな」

「あの子、寝てないんじゃないの?」

「それなら良いが」

「取り敢えず行こ」

「空を飛んで行くか」

「高い所怖い」

「じゃあ、GTR召喚」


ボンッと目の前にGTRが現れた。赤色のストライプが入ってる。二人はGTRに乗り、偵察を始めた。

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