第103話 お題「操り人形」 『どうにもならない、恋』

『どうにもならない、恋』


彼の操る文楽人形は、生きているよう。舞台の上で泣いて笑って、恋をしている。

あたしは秘密を知りたかった。こっそり楽屋をのぞく。

彼はひとりで人形に、祈っていた。

「俺の声を彼女に届けてくれ。愛していると伝えてくれ」


分かっているけど。どうにもならない。

あたしはもう死んでいる。



★★★

本日、夜のパンダエッセイはお休みです。

ホラー、書いてきます(笑)

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