第56話  お題「機動隊」 『晩秋の、くそロック野郎』

『晩秋の、くそロック野郎』


晩秋の朝。読経が鋭く響く。

あの朝の電話のよう。

きみが消えたことを知る。


なぜあの駅から、きみを一人で行かせたか。

なぜあの夜、一緒にいなかったか。

仮定と否定が機動隊のごとく、追ってくる。


今はどこで歌っているんだろう。


きみは最後まで

カッコつけの、くそロック野郎。

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