握手会

V6デビュー十周年のときだっただろうか。わたしは握手会へ参加した。

握手会するにはまずCDを買うことだ。

そこに同封されていた握手会のチケットを手に握手会へ並ぶべくして、福岡国際センターへと向かった記憶がある。


福岡国際センターでのライブがあって、その翌日だったのかははっきり覚えてないけれど、握手会が行われていたような気がする。


福岡国際センター、福岡サンパレス、マリンメッセ福岡。


余談だが キンキキッズや嵐はドームなんかでやっていたライブだが、V6は決してドームで行うことはなかった。やろうと思えばできたはずと言われている一方でそんなにお客来ないとかいう人もいる。


 けれど、V6はそういうことでしないのではない。


とにかくファンとの距離感を大切にするグループで、少しでもファンが近くで見れるようにとあえてドームツアーをしなかったらしい。


そういうわけで握手会に並んだ。どれくらい並んだのかはわからないが、ふつうに一時間以上並んだのではないか。


やがて、握手会の順番が回ってきた。


顔が見れたのは最初だけ。


たしか岡田くんだったような気がするが、それ以降はあまり覚えておらず、ただ係り委員によって強引に移動させられたことだけは覚えている。ほんの一瞬の出来事だ。握手をしてただ去る。「がんばってください」とか「大好きです」とかいえることもなく終わってしまった記憶があった。ファンのなかにはCDを何枚でも買って、何度も並んだ子もいたようだが、わたしはその一回きりだった。


握手会といえば、その一瞬の出来事で三宅健の人生を変えている。ひとりのファンが手話で一生懸命になにかを訴えていたらしいのだ。それに答えられなかったことから、彼は手話をならい始めた。それをいまの仕事にもいかしているのだという。



手話。

学生時代に習った程度で、まったくというほど覚えていない。


ただ手話の授業のなかで、酒井法子の「碧いウサギ」の歌詞を手話で表現したことだけは覚えている。


ごめんとか愛してるぐらいならできるかな?


なにせ、福祉は福祉でも老人介護施設なので、手話を使う機会が皆無なのだ。




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