第5話 デリーシャス傭兵団
はい出ました。
古代文化ならハリウッド発、アカデミー
で、そいつらが私たち3人を取り囲んで、リーダーっぽいヤツが言うのよ。
「おい」
「あ、豚さんだ」(わ・た・し・談)
「
続いて他の豚さんと牛さんの合唱。
「「「「「そして俺たちは手下のオークと
おお、10人以上が素晴らしく息の合ったコーラス。
でも、自分たちで「手下」って言うかね。
「デリーシャス」ってのも、ヒドいネーミングだなあ。
今晩の食材にいかがですか、って聞こえるんだけど。
「あ、そう。わかりましたから、みんな揃って大声出して息を吐きかけないでくれます?
「「「「「
あーあ、あらためて見ると皆さん人相の悪いこと。
えっ? 豚や牛の顔の相なんて良い悪いの判断できるのかって?
そりゃあできるよ。
額や鼻の横に刻まれた醜い
「ヒト族が何の用だ。ここはお前らみてえな奴らの来る所じゃねーぞ」
「「「「「
はい、よくできました。
三重丸をあげたくなるようなこんな正真正銘の小者臭、今どき恥ずかしくって、とても真顔で
と、ここでモヒカン氏が無表情に
「ウゼーなあ。お前らこそ消えろ」
「あー、なんか言ったかあ」
「黙れ、ボス豚。これ以上
あ、それはやめとこうよ。
魔獣はともかく、亜人を食べるのは倫理的にどうかなあ。
一応顔だけは豚や牛だけど、いかにも肉が固くて不味そうだし。
食べるんだったら、昨日狩って蒸し焼きにしておいた
顔面に、モヒカン氏がその太い腕で裏拳一閃。
ミシッと音がして重装備のボス豚さんは
背中から地面に落ちて2度3度と転がり、うつ伏せの状態で沈黙。
あらら言わんこっちゃない、って、
「「「団ちょー!」」」
「「「きさまー! 何しやがる!」」」
見ればわかると思うけど。
ほら、腰が引けたまま
「#$%&@$%*#*&%$#」(アスラ注・
メガネ嬢の声が小さく聞こえて、自称傭兵団残り全員の動きが止まる。
そしてすぐに目がうろんとなって、力なく膝から崩れ落ち、無言でその場に
魂を侵食する魔法だ。
こういう時だけは、いかにも魔術師らしい白いローブがよく似合うなあ。
(うーむ……)
ん、どうしたの?
(あの呪文は何語なのだ?)
え? このあいだ本人が話してくれたじゃない。
教会付属の魔法学院で習った、確かエノク語とかいう天界の秘密の言語らしいよ。
(お前はそれを信じておるのか。あれはエノク語ではないぞ)
え、そうなの?
(ああ、エノク語だったら我も知っているが、あれは全く別物だ。自然発生的な言語でさえもない、人造言語だな)
あらら。でも、何で人造ってわかるの?
(我は大抵の言語には精通しているのだ。あれは自然言語にしては余りに文法体系が簡略であるし、およそ例外が存在しない。また、
じゃあ、あの話は嘘だったってこと?
(そうではあるまい。多分あの娘もそう説明されて、エノク語と信じて学んだのだろう。
しかし実際は、
でも、「御使い」だとか「裁き」だとか……
(天界の秘密の言語とか称するのも,そんな大層な言葉が頻発するのも、教会の権威を高め、魔導士たちの忠誠心を確実にするのが目的だな)
そうかあ。
(面倒くさい話になってきたなあ、とか考えつつ)だいたい、魔法を使うのに無理に呪文なんて要らないのにね。
(その通りだ。
うーん…… だって、そうすると今度は呪文なしで魔法を使う指導をしなくちゃならないでしょ。凄ーく面倒じゃない。
それに、ほら。
「えげつねぇーなあ。こいつらはビビっちまって、放っておいても何もできなかっただろーによ」
「この手のヤツらは、しっかり思い知らせておかないと、逆恨みして後で
とか何とか言いながら、二人とも溜ってたストレスが解消されたみたいで、機嫌が良さそうだよ。
ここはやっぱり言わないことにしておこうよ。
(うーむ……)
ところが ――――
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