第170話
「私たちも、ウォルターさんの事好きです。勿論ですけど、素敵な男性としてですよ」
「というか、ようやく言ってくれたって感じよね」
「付き合いは短いですけど、ウォルターさんがとても素敵な人だって事は、私もナタリーさんも直ぐに分かりました」
「ウォルターさんは、出会った時からとても紳士的でしたし、何時も親身になってくれましたから。気になる男性から好きな人になるまで、そう時間はかかりませんでした」
「私たちにとってウォルター君は、とっても格好良くて、とっても優しい人よ。そんな人を、好きにならないわけないじゃない」
「……………………」
ダンジョン攻略を一時終了し、男爵家の屋敷に戻ってきて直ぐに、自分の気持ちを伝える為にイザベラ嬢たちに部屋へと集まってもらった。そして、緊張で心臓がバクバクとなりながら気持ちを伝えた結果、イザベラ嬢たちは笑顔を浮かべてOKの返事をしてくれた。俺はイザベラ嬢たちのOKの返事に、あまりの嬉しさで固まってしまった。
「ふふっ」
「?――――!?」
固まっていた俺を見て、カトリーヌさんが笑う。そして、妖艶な笑みを浮かべながらゆっくりと近づいてきて、俺に唇が軽く触れ合う程度のキスをした。俺は数秒間ボーッとしていたが、キスされたという事を理解すると、顔が真っ赤になっていくのを感じる。
「私たちも」
「そうね」
「はい」
「そうですね」
「!?」
イザベラ嬢たちがそう言ったかと思うと、カトリーヌさんと同じ様に俺に近づいてきて、唇に軽く触れる程度のキスを順番にしていく。カトリーヌさんとのファーストキスで固まっていた所に、魅力的な女性たちとの連続のキスをされた事で、完全に思考が停止してしまう。そんな固まってしまっている俺に、イザベラ嬢たちは嬉しそうにニコニコしながら抱き着く。その勢いで、俺とイザベラ嬢たちはベットに倒れこむ。
俺は暫く思考が停止して固まっていたが、イザベラ嬢たち皆と気持ちが通じ合い、晴れて恋人同士になれた事の嬉しさが湧き上がってくる。何せ、前世通して初めての恋人だ。いきなり五人もの恋人が出来たが、全員大事にしてあげたいという気持ちが強くなっていく。愛おしい気持ちが溢れ出して温かい気持ちになり、一人一人の頭を撫でて髪をすきながら、自分から唇に軽く触れる程度のキスをしていく。
イザベラ嬢たちは俺からのキスに最初は驚いていたが、嬉しく思ってくれたのか頬を赤く染めながら、花が咲いた様にニッコリと微笑んでくれる。そして、一人一人がまた順番にキスをしてくれる。先程までは唇が軽く触れ合う程度のキスだったが、互いの愛おしい気持ちが強くなっていくのに比例する様に、一回する事に時間が少しずつ伸びていく。
こうして恋人同士と触れ合い、愛おしい気持ちで胸が一杯になると、カップルが場所を選ばずイチャイチャするのか理解出来る。好きな人が傍にいてくれて、自分の事を好きでいてくれている事が伝わってきて、こんなにも幸せな気持ちになるのだ。そりゃあ、人目も
(必ず、彼女たちを幸せにしてみせる。一緒に手を取り合って、皆笑顔で生きていこう)
この先の人生について決意を固めていると、メイドさんが夕食の時間だと呼びにきた。俺たちはメイドさんに返事を返し、ベットから降りて部屋を出る。そして、そのまま皆で一緒にダイニングへと歩いて向かう。
ダイニングには、男爵夫妻とジャック爺、それからゲオルグ君たちが座って待っていた。男爵夫妻とジャック爺は、俺たちの変化した雰囲気を感じ取って驚くが、その後に嬉しそうに笑顔を浮かべて俺たちを祝福してくれた。男爵夫妻から祝福の理由を聞いたゲオルグ君やクラリスちゃん、フラウちゃんも大喜びして喜んでくれて、この日の夕食はとても賑やかなものとなった。
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