(XXXX)その先に
カラフルな空気の中で
その色は灰色だった。
ビニール傘越しの雨粒
耳に残る不協和音に騙
されてはダメだ。確実
に世界が壊れているの
を知っている。知って
いるから空気の温度に
鼓動が早くなっていく
透明な先が、水で流さ
れていく。見えなくな
っていく。もう見えな
い。何をしていたか、
分からなくなっていく
。雨だったものは灰だ
火山の洞穴から湧き出
てきた恐ろしいもの。
誰もが怯えて明日を過
ごす。またいつ灰が降
るか分からない。私が
灰になるかもしれない
。火山は何度も嗤いな
がら灰をまき散らして
いく。雨粒なら拭けた
でも灰は染み込んでい
った。その先には絶望
が待っていて、片手を
上げて、おいでと言う
。そうはならない。私
は灰にならない。いつ
でも傘を差した普通の
『模倣犯』になるのだ
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