僕にとっての君、君にとっての僕

僕は確かに

君に触れていたのに


全て覚えているんだ


君の声も

ぬくもりも


なのに何故

僕の前から消えてしまったの


君の

黒い瞳も

柔らかな頬も

触れるとピクリと震えた腕も


狭い額も

少し尖った耳も


緩やかに反った背中も

冷たい鼻先も


柔らかな髪の先までも


僕は全て覚えているんだ


なのに何故

僕の前から消えてしまったの


君は

僕だけの君じゃなかったの


「君は、僕にとって最初で最後の存在なんだ」


嘘じゃないんだ

今でも僕はそう思ってる


なのに何故


君は

僕だけの君じゃなかったの

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