第15話 A Nine Days' Wonder
巨鯨を
これを併せ持っていないと『世界樹の守人』は務まらない。
何せ剪定を行う『世界樹』は自らの親や兄弟。
ーーー『魔素』と『世界樹』
西方のエルフに言わせると『魔素』とは世界中の物質の最小構成要素の一つなのだそうだが、我々は確かめる術すら持たない。
魔族、竜等は直接的に。そうでないものはあらゆる手段を行使して『彼ら』に語りかけるのだ。
『世界よ、かくあれかし』と。
ある時は心寄り添う暖かな炎を。ある時は心身まで
顕現させる事象の
大陸に点在する『世界樹』は遙か西方の大陸にあるとされる『神代の世界樹』から分けられた苗床である。
各地の世界樹は母なる根源と地中深くで繋がっていて取り込んだ魔素を運んでいるとされるが、これもまた確かめる術を持たない。
これらの伝承が
何故なら
この剪定を一手に担い、各国の軍事力均衡すら
その影響力は絶大であり、例え戦時に於いても『巡礼』の僧列は双方剣を納めねばならぬ程であるーーー
エイダ「じゃあその何とかってオッサン?に会いに行けばいいのか?」
ジジ「ちょっとエイダさん『守人様』をオッサン呼ばわりしてるのなんて大陸でもエイダさんだけですよ!」
エイダ「だってよぉ!会ったこともねぇ庭師みてぇな奴にお行儀良くなんて出来ねぇよー」
ジジ「全く…。」
ランマル「して、ロベルト殿」
「その『守人殿』は今どちらに居られるのでゴザルか?」
ロベルト「…分からん」
ランマル「!?」
ロベルト「…公爵領を目指せばいずれ会えるはずだ」
ランマル「ロベルト殿らしいでゴザル…」
エイダ「ジジ!こっから公爵領って遠いのか?」
ジジ「そうですねぇ。まぁ散華の月までには余裕を持って着けると思いますよ」
エイダ「そっか。それじゃ各自準備して出発だな!」
ランマル「エイダ殿の準備とはアレでござろう?」
エイダ「な、なんだよ」
ランマル「ズバリ例の
エイダ「ち、ち、違…わなく…ない…」
ランマル「正直で結構でゴザル!いや、実は拙者も最近慣れてきたというか美味と感じるのでゴザルよ」
エイダ「お、話が分かるじゃねぇか!」
「おっしゃ!今晩は壮行会と洒落込むか!」
ランマル「ゴザルゴザル!」
ジジ「はぁ。路銀も掛かるというのに…」
「ロベルトさんからも何か言ってやって下さいよ」
ロベルト「…悪くない」
ジジ「四面ならぬ三面楚歌ですねこれは…」
エイダ「おーし!
次回 『悲しみを燃やして』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます