第5話 3月15日

ついに。

ついに、私の誕生日が訪れた。

ようやくこの日がーー。


もう時期、私の未来が決まる。


集まったのは、数えきれないほどの人数だった。


「本日は私の為にお集まり頂き、ありがとうございます。大勢の人に集まって頂き、感謝しております。しかし、見物される方は公園から外に出てください。邪魔になりますのでーー」


マイクを使い、まるで女優にでもなったかの様に微笑んで、洋子はそう言った。


集まった百人以上の人たちが、分別されていく。まず女子が除外され、男子の見物者が自ら抜けていく。そうして残ったのは10名だった。


「この中で私を賭けて争う覚悟がおありなのは、、この方々でいいでしょうか?」


「ーーはい」


男性陣がそう答える。

しかし、洋子は残った彼らの名前すら知らない。そんなもの事前に知る必要もなかった。


「私のすべてを賭けて、これから2日間、あなた方に勝負をして頂きます。その際、途中で抜けて戻る事は出来ませんが、よろしいですか?」


「当然だ」


「ーーありがとうございます。しかし、リタイアは出来ますので、その際には手を上げて、スタッフに伝えて下さい」


洋子は不適に笑った。


ーーまず、最初の勝負です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る