16. 雷雨

触れた唇も嘘みたいで

風の鳴る庭に時は止まる

向かいのホームに立ち竦んだ私が

その目に映す世界に

さあ呼んで、私の名前を

鳥が鳴き、花が咲いて

それらを全て喪ったとしても


過ぎ去った風景ほど美しいと

誰かが言ったけれど

今日は明日より早いはずだから


諦めるにはもう遅い

決意なんて大それたものじゃなく

ただ、振り返るのが怖かった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る