第8話

地下にいた、ごうごうと空気が流れほほを風がなでて

ここが地上にないことを忘れそうになる

コンクリートで区切られた空間に多くの人間がひしめき合い

雑多な声が広い空間で反響していた


「ここが入り口?地下よね」

「そそそ。ランドはね水の中だからしたから入るの」

「空気も送ってるのね」見回してみて人間数百人を粉砕できそうな換気扇が回る

「そうそうで、なんかマワリを磁場?で調整して中でも息できるよ」

「へぇ、詳しいのね」

「えへん。カノンは結構通い慣れてるからねしかもキャストアルバイトも経験したし」

「ふふ、いいわね。青春だわ

「でしょ、結構楽しいよ通い慣れてくると場所もわかるしパレードとかもね考えたりしてそれをスマホで送れば企画会議みたいなのもできる」

「ふむその考え方いいわね、私もしようかしら」

「?キャストしたいの?」

「え?ああそうね、そうなの」

若干のしまった感が出つつ順番がまわり2人が潜水艦の鉄扉をくぐると

大きな水槽に沈む階段が見える

「ちょっと不思議な光景ね」

大勢の人間が階段を下りながら水中にすいこまれていく

まるで水の中にも重力があるかのように階段を下る人間が消えていく

「これ最初感動したんだよねー早くいこ」

カノンが制服のまま水に触れたが服に染み込む様子はない

それをジッと眺めて足を水に付けた

冷たいようで眉間にしわをよせながらゆっくりと入水していく

が、足元の靴もフリルの服も濡れないままパニエは萎むことなく

階段を下り頭の先まで青に染まる

カノンは振り向いて笑い口を大きく開けた

固く閉ざしていたビッチが口を開けると大きく息を吸い込んだ

「凄い技術ね、これ」感嘆の息とともにつぶやく

「水の中でも喋れるし息できるの不思議だよね」

カノンが嬉しそうわらい、少し小さくなる声に答えた









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