機竜転生~乗り手の女の子にエッチなお願いをしてエネルギー充填、装備も増築して気づけば世界最強
月光壁虎
機械の恐竜と無垢な少女の絆
相棒との出逢い
機械仕掛けの恐竜
迸る電流のような衝撃で意識が覚醒する。
身体が冷たい。
ザアザアと降りしきる雨に打たれているのか。
時折耳元まで轟く雷鳴。
おっと、寝てる場合じゃない。私には助けなければいけない命があるんだ。
先程まで従事していた任務を思い出した私は、おもむろにその場で立ち上がる。
だけど変だ、身体を動かす度に関節から機械の軋む音が鳴る。
近くに稼働してる機械でもあるのだろうか?
辺りを見回してみるけど、機械らしきものは見当たらない。
それどころか人の影さえ一つそばにはなく、この場所自体も見たことないようなところだった。
おかしい、確か私は氾濫した川で救助活動をしていたはず。
なのに目の前に広がるのはどこまでも続く濡れた平地。
ここはどこなんだ……?
いつの間にか雨が上がり日が差し込んだところで、何気なく足元に目を向けると水たまりに信じられないものが映り込んでいた。
これは肉食恐竜、それもティラノサウルスの顔だろうか。
だが今見えてる顔はどう見ても生き物のそれじゃない。
青をベースに頭の上半分がクリアなオレンジ色、まるで近未来的なロボットだ。
水たまりを覗き込もうとすると、機械でできたティラノサウルスの顔も同時に動く。
試しに手を動かしてみると、二本しかない銀色の指が水たまりに反射して動くのが見えた。
まさかこれが自分だというのか。
思いもよらない事実を頭の中で照らし合わせようと、私は少し前のことを思い出した。
そうだ、私は自衛隊の一員として大雨の日に氾濫した川で救助活動に当たっていた。
流されていた人を助けようとしてヘリから落ちて……。
駄目だ、ここから先がどうしても思い出せない。
頭の中を巡るのは茶色い濁流のような光景だけ。
そして気がつくと私は、どういうわけか機械の恐竜になっていたというわけか。
……難しく考えるだけ無駄なのかもしれない、頭の中にはヒントになるものが何もないのだから。
こうなったら事実を受け入れよう。
不測の事態にこそ冷静に、それが自衛隊としての座右の銘だ。
こうしていても始まらない、そう思った私はとりあえずこの場から移動することにした。
大雨の後で地面がぬかるんでいるのか、歩くのも一苦労。
重い機械の身体だから、一歩を出すごとに足が地面にめり込んでしまうのだ。
太古に生きていた恐竜のように長い尻尾でバランスを取りながらなんとか歩いていた私だが、急に足首の動きが悪くなる。
足が重い、一体どうしたというのだ。
それでも歩き続けていたら、今度は目の前が砂嵐のようにチカチカと暗転し始めた。
空腹にも似たこの感じ、エネルギーが足りてないのだろうか。
しかしこの身体は何で動いているのか、まさか食べ物ではあるまい。
どこかに給油所はないか、いやこのあたりにはおそらくないだろう。
だんだんと遠くなっていく意識、そして私はゆっくりと地面に倒れ伏した。
あれから何日が過ぎただろうか。
虚ろな意識の中で、誰かの声が聞こえてくる。
この声は少女のものだろうか。機械の身体への響き具合からして彼女はすぐ近くにいるに違いない。
ペタリと手の触れる感触で、視界が微かに開いた。
目の前にあるのは肉付きのいい、人の太もも。
私の前で少女がしゃがんでいるのだろうか。
もう少し上に目を向けると、持ち主の上半身も見えてくる。
青いリボンで一つに結んだ金髪に、パッチリとしたきれいな緑色の瞳。
この顔立ちは間違いなく十代の少女だ。
赤と白を基調にしたワンピースのような服の上からでも存在感をこれでもかと主張しているのは、彼女の胸だろうか。
それにしても大きいな、同じくらいの年頃でこの大きさは今までに見たことがない。
つい少女の豊満な胸の膨らみに目がいってると、突然身体に電流のような何かの奔流が巡りだす。
この感覚は何日ぶりだろうか。
身体を流れる奔流はだんだんと強さを増している。
これはまさか。
「エネルギーが増えている……?」
「わわっ、しゃべったぁ!?」
私の声に驚いたのか、少女は腰を落としたまま後ずさる。
どうやら私は喋れるようだ。
そして耳に届く少女の言葉も、明らかに日本語でないながらもきちんと理解できる。
そんなことを思いつつうっかり目線を下げると、今度は少し開いた脚の奥に白いものが見え隠れしているのが目に映った。
これはまさか、彼女のパンツ!?
いかん、女の子のスカートをのぞくなど男としてはあるまじき行為っ。
頭を振って今見たものを記憶から落とそうとすると、力が途端に抜けるのを感じた。
「一体何なの……?」
立ち上がった少女は驚いて声を震わせているみたいだが、今はそれどころではない。
また意識が落ちてしまうのか……?
どうすればこの状況を打開できるだろう?
そうだ、さっきまでのエネルギーがどうやって湧いていたかだ。
……確か少女の胸と下着を見ていた時だ。
ひょっとしたらっ。
「……君、……少し頼みがある」
「え、アタシ……?」
私の声で少女が自分の顔を指差す。
風のようによく通る声が耳に心地いい。
いや、そんなことよりもだ。
「……そうだ。……私は今、……動けなくて困っている」
「そう、なの……?」
たどたどしい私の言葉に、少女は目を丸くしつつもその耳を傾けている。
よし、会話も問題なくできているようだ。
しかし本当に良いのだろうか。
今から頼むことは、年頃の少女には極めて恥ずかしいであろうこと。
正直口にするのも気が引ける、しかしこのままではずっと身動きもとれない。
覚悟を決めた私は、重い口を開いた。
「……だからお願いだ、……スカートをたくしあげて……君のパンツを見せてほしい」
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