太陽と月と僕

太陽の強い光が

降り注ぐ

幾度も幾度も

降り注ぐ


それは温かくて残酷な

命を育み奪う熱


誰かが手を伸ばし

誰かが焦がれるのを眺めて

目を落とす


太陽の光で命は廻る……




僕は暗い闇の中

真昼の光は届かない

深い深い黒の奥


うずくまる足先を

命の光は照らしてくれない

太陽が見放した

小さな小さな想いの欠片かけら


向かう先も

立ち尽くす足元も

闇に覆われる


踏み出した一歩は

呆気なくつまずいて

涙の流れ着く先は虚実の空


その空に浮かぶ光に気が付いたんだ

月の光に気付いたんだ


淡く優しく気高い光は

寄り添うように僕を照らした


目指す北極星は遥か遠いけれど

その道筋は照らし出された


もう迷わない

全てを照らす太陽は彼方

僕は暗闇を進む星に挑む

月の光をかてとして


いつかあの場所に届いたなら

僕も誰かを照らせるだろうか?


命の廻る残酷な光ではなく

心に寄り添う闇夜の月光のように

いつか誰かの心の奥へ……

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