霧の街

白く揺蕩う

霧の霞む僕らの街

涙が滲む

アスファルトを揺らす


否定の言葉が響き

耳を塞いで路地裏へ身を隠す

霧がまとわりつて

全てを覆うから

僕は息を吐いて肩を抱いた


ひしめき合う人と

ぶつかり合う想いの波で

揉みくちゃになった胸が

血を流して沈む


僕が悪い?

君が悪い?

誰が悪?

誰が善?


答えの出ない自問自答と

何処へともつかぬ問い掛けに

張り裂けそうな叫びが木霊する


答えなんてきっと無いから

今日も僕は霧の街に身を隠す

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る