歌声

何も聞かないように

何も聞こえないように

耳を塞ぐ


それでもいつかの声が頭の中にこだまして

身勝手に言葉を紡ぐから


こんなものはいらないと

静寂に咲く赤い花を夢見ていた


鼓膜をふるわす全ての音が

歪な不協和音を奏でる中に


ひとつの旋律が踊った

君の彩が鮮やかにはじけた


やわらかくkissするように

微笑んだ歌声が


他の音を飲み込んで舞い上がる


鮮やかすぎる音に

耳を塞いでいた手をそっと外す


この音を信じていいだろうか?

それともいつか、この音も歪むのだろうか?


再び閉ざそうとした僕に

君は無邪気に言った


私を感じて!私の声を聴いて!


その姿があまりに無垢で

僕は忘れかけていた表情を作る


上げた口角は不恰好で

溢れた想いで濡れているけれど


君に届けたいから、僕はわら

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