Z384 人々に咲く花よ
「能力と向き合うには、那由花自身が自分の花に問いかけるしかないわー。明確な答えは帰ってこないけどー、なんとなくできることがわかる感覚に近いわねー」
「問いかける…」
私の花❨エドヒガン❩は答えてくれるのだろうか?たしかに約束を交わした時、ちゃんと応答が返ってきていた。
「ん〜。
「そうねー。集中して問いかけてみてー。でも疲れたら辞めるのよー?」
「わかった」
目を瞑り、視界情報をシャットアウトする。ゆきもママも居るけど。この静かな広い部屋から、私の意識を中へ、中へと沈める感覚。
前に会話したあの感覚を思い出せ…
*
『我は汝。呼び出せばいつでも力となろう』
「えっ!?…うわ!!?」
「ちょ?大丈夫〜?」
「う、うん。呼び出してみたら出てきた」
唐突。
もしもーし?程度の呼び出しに当たり前のように応答が返ってくる。〔念話〕の感覚に近いが、ふとここが現実であったことを思い出す。
こういった通話技術もあると聞くが、こういう感覚なのだろうか…
「やっぱり…声。聞こえるのねー?」
「うん。私にしか聞こえてないよね?」
「私は聞こえないよ〜」
『空間の振動に異常はありません。姫様だけですね』
ナビィ含め、ママにすら聞こえてはいないらしい。
『言葉…聞こえる?それとも私の考えていることがわかるの?』
『我、汝の言葉聞こえる。思考も感じ取れよう。普段はそこまで覗きはしないが…。我は汝、さりとてプライベート?なるモノが大事と認識している』
なんというか、言葉に少し癖がある。でも最近はこういう口調の人達と過ごしてきてるから違和感はないね。ニワタリちゃんとかと似てる。
声色はなんというか、響くような、それでいて落ち着く老齢のおじいちゃんって感じがする。
よくよく感じてみれば、声は私の内側から聞こえるような?
頭の中にイメージするであった場所。黒く。何も無い空間が私の中にある感じ…
『イメージするといい。我は汝、❨エドヒガン❩とは言うなれば桜の大樹なり、風が吹けば満開の花を咲かせ、汝の望むものを魅了する』
暗かったはずの空間に突如巻き起こる花吹雪。弾幕のように見えるそれは私の視界?を阻害するには充分すぎるほど充満していた。
気がつけば、暗かった空間は何処へやら。目の前に咲き誇る大樹の桜が青空を隠すように私へ覆いかぶさっている。
す、すごい。
『汝の記憶にある桜をモデルにさせてもらった』
よく見ればこれ、ユキと一緒に作りあげたあの技。
「合技【氷雪来華「チェリーズスノー イルミネーション」】…」
「それがどうしたの〜?」
「あ、いや目の前に…?見えた桜がその時に作った桜で…」
「「???」」
うん。ママもユキも唐突な内容に言葉にならない困惑顔だ。ごめん、もう少しだけ時間をちょうだい。
目の前に居る桜の木。❨エドヒガン❩は見た目こそ似ているが、あくまでモデルにしたと言うだけで弾幕や技のような感じではない。本物と感じさせる風格というのだろうか…
『汝、して何を聞きに?』
『あ、えーと?花の力…能力の詳細やできることを聞きたくて。力があることもわかる…なんとなく使い方?も分からなくもないのだけど。他にも細かいことを知れないかなって』
私の能力は他者から力を分けてもらうことができる…でもその力が今のところ反射神経やら思考能力を底上げしている以外は知らないし、もっと違う形で力を使える気はする。あとは他者に花を咲かす?とか?
『あいわかった。我の力は汝の考えるように他者の想いを吸い上げ、花咲かす力。この力というのは変幻自在であり、汝の身体的能力を上げたり、知能領域を広げたりできる。また、汝が望んだ人々に個人の花を咲かす手助けをする。その者が永続的な力を手にすることは無いが、汝の花弁が届く範囲なら一次的な開花をさせることができよう』
えっと。つまり、私が足を早くしたいと思えば速くなったり?天才になりたいと思えば天才になるのかな?
なんかすごいざっくりしてるけど。
で、後半の能力って何なのだろう?
『人々は誰しも力を持つ。それを使えるものは居ないが、我らと約束をした者にだけその力は世界への影響力を手にするのだ。そして汝は限定的とは言え、その個人的な力を「花」の形として誘開させることができる』
おう?
「ねぇ。ママ。私の中で花が人は誰しも力を持っているとか言ってるんだけど。知ってる」
「???????」
おっと。ママはフリーズしてしまった!!ということは知らなかったということだ!なんてこった!!
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