第4章 紫鳴編

EC:155  プレミアムマッチ!!

*>>ナレーション




 ここは闘技場。


 いつも何千と何万と行われるバトルのほんの一回だけの奇跡。


 それを聞けたら今年の運を全部使ってしまったとなげき喜ぶほどのレアバトル。


 不定期開催!プレミアムマッチ!!




 その第一回目が今日この時。突如に予告無しで開催されようとしていた。




*>>三人称視点




アイラ

ランキング:100 420位


VS


ヘージ

ランキング:37 746位




《システム起動中。バトルルールの変更を承認》


「ん?なんだ?」


「あれ?」


 普段バトルを頻繁ひんぱんにするプレイヤー2人がいつもと違うアナウンスに戸惑う。


 2人ともRBGでは上位とされる1 000万位以上。さらにその上位10万位程のプレイヤーである。稀にあるハイレベル同士のバトルとあって観客もそれなりにいたりと2人とも気合いが入っていた。


 ヘージは緑髪で少し細身の男子であり、3万位というかなりの上位者。


 アイラは金髪にサファイアブルーに輝く瞳の女の子である。格好がThe魔法使いなのは金髪と映えるので良き。



《プレミアムマッチを開始します》



「は?」


「え?うそっ!!やったー!!」



 この時、会場もかなりの盛り上がりようだった。あちこちで歓声が上がり〔撮影〕や〔録画〕を起動しようとする…。が、システムによりロックされているため起動できない。

 数名なげくプレイヤーのうち唯一、フレンド限定席のプレイヤーは起動できるようだ。そこにちゃっかり座ってる「リリース」のメンバーがいたんだとか…



「みんなー!!私はナユカ!これからプレミアムマッチを開始するよーー!!」



《スキルオープン》


「2人とも私の歌に合わせて攻撃とかすると様々な恩恵がもらえるよ!!観戦席のみんなは2人に応援してあげてね!それが2人へのバフとして反映されるよ!あ、もちろん私にも応援飛ばしてね!!初めてだし!」


《5》



「ハハッ!面白い!魅せるバトルをすればいいんだろ?」


「そうそう!」


「ナユカさん!後でサイン貰えますかー!?」


「ん?いいよー?」


《4》


「やった!!やる気アゲアゲで行きますよ!!」


「かかってきな!〔装備〕「鉄球」」


《3》


「頑張りますからね!!【マジカルガード】」



《2》


「じゃあ行くよー!」


《1》


「【弾幕響鳴「スピリチュアルビューティ」】」



《スタート》



 スタートと同時に歌い出すナユカ。歌はプレミアムマッチ専用の曲をRBG側が用意してくれたらしく。歌詞はナユカがいい感じに付けて新曲を歌っているようだ。そのため観客は大騒ぎだ。これには嘆き悲しむプレイヤーはさらに追い打ちをかけるように咽び泣く。



 しかし、舞台上の2人はそれどころではない。

 舞台のふたりに大量に表示されるバフ。


「うわぁー。ナニコレ」


「こんなバフの量は見たことないぞ…。何個着いてるこれ?」



 両者自分に着いたバフの量に棒立ちである。戦えよ。




「よし!!行きますよ!!「ファイヤーボール」【マシンガン】!」


 先に正気に戻ったアイラは〔魔法〕のファイヤーボールを使用。さらにそれを大量に連発する技をヘージに向け乱射する。




「ちっ!【ハイステップダンサー】!」



 ヘージはそれに対抗するように回避専用の技を発動。地面に足をつけながら、華麗なステップでファイヤーボールを次々に踊るように回避していく。



「【ラインズ・ストライプ】!」


 それを回避しながら弾幕を飛ばすヘージ。その弾幕はあらゆるところから〔ランダム〕に直上していく光の柱のように伸びていき適当なところで〔直角〕に曲がった。


ーーーー


スキル:ランダム


カテゴリー:命令系

ランク:青

発動:アクティブ

概要:指定した物を一定地点でランダムな「指定行動」をとらせる。


指定行動種類

・速度

・方角

・増減

・分割

・集合

・条件

・稼働有無


ーーーー



 たくさんの光の柱が地面とは平行にクロスしストライプ柄を作り出す。


 空中におどり出たアイラはその弾幕を回避しながら進む。がいくつか被弾。HPを3割も減らしてしまう。



「攻撃が痛い…。ってHPの回復も着いてるんですね。てことは…」


「生半可な攻撃で時間をかけると意味が無いらしいな」



 両者、回復するHPとMP。その他ほかの力も回復していきさらにスピードや防御、攻撃力まで底上げされている、ナユカの歌によるバフは2人に通常ありえないほどの恩恵を与えた代わりに普通に戦っていては意味が無い。



「「リーフガード」…。「ノーマルショット」【ガトリング改】」


 咄嗟に【ガトリング】を改良してMPとWPを無制限に吐き出しながらデタラメに〔魔法〕を飛ばすアイラ。


 その魔法に弾幕を放ち相殺そうさいしようとしたヘージだが…


「っ!?」



 その「ノーマルショット」は。




「っち!〔魔法〕なのに物理攻撃かよ!?」


 ヘージの放った弾幕をかき消しながらそのまま直進していく。ステップで回避しながらヘージは弾幕を〔爆発〕に変え、やっと相殺できるようになった。



「こんだけ雑に〔爆発〕なんて使ってたらMPが…。そんなに減ってないのが異常なんだよなぁ…」


 Re,ナユカのバフは異常なのである。



「「ウォーターランス」【ウェーブ改】」


「【カーブ・サンレーザーマークⅡ】」



 一方はアホみたいな量の〔水〕の〔魔法〕でできた槍をこれでもかと飛ばし。

 もう一方は〔光〕のレーザーを無数に、かつ前方に放つ。そのレーザーはカーブしながらアイラを追尾し、アイラはたまらず回避行動をとった。


「レーザーは物理的にその曲がり方しなくないですかー!?いっ!!!「ソニックブーム」!」


 最大まで加速してそのレーザーから逃げるもアイラは被弾。


 しかし、〔衝撃波〕を飛ばし、ヘージも〔防御〕が間に合わずに吹き飛ばされてしまう。


ーーーー


スキル:衝撃波


カテゴリー:音響系

ランク:青

発動:アクティブ

概要:〔衝撃〕とは違い、無手や自身の装備から〔衝撃波〕を発生させる。衝撃波は起点から近いほど攻撃力が増えるが離れれば効果が無くなる。MPかSPを消費することで繰り出せる。


ーーーー





「【ビックレーザーマークⅡ】」


 ヘージは両手を前にしながら地面から離れ〔浮遊〕する。少しのタメの後に放たれたレーザー(極太)。はアイラをとらえたのように見えたが…


「ここっ!!「ファイヤーランス」!!」



 レーザーに飲み込まれる寸前。アイラの姿がかきき消える。



「なっ!?」



 次の瞬間。ヘージのど真ん中を貫く「ファイヤーランス」があった。




 アイラは〔空間転移〕を使い。自分の放った極太レーザーで隠れて見えてなかったアイラが消えたの感知できなかったのである。自分の前に〔バリア〕を張っていたものの。そのままレーザーを放ち続けるヘージの後ろに現れたアイラがファイヤーランスを飛ばしヘージはHPを全損させる。


ーーーー


スキル:空間転移


カテゴリー:空間系

ランク:赤

発動:アクティブ

概要:MPを大量消費して空間を転移する。移動過程をスキップするのでその間の空間にプレイヤーの当たり判定は無い。移動距離は視界関係なく10m〜50m以内。


ーーーー


「やられた…。後ろかよ」


「よっし!!」



結果。アイラの勝利とともにナユカの歌も終わりを告げた。







作者コメント


 新章開幕!!予め予告です。4章は今までと雰囲気がガラッと変わります。それはゲームなのか分からなくなるほどに。でも少ししたら戻る?(かも)です!RBGをよろしくお願いします!!

 コメント+アイディアありがとうございます!





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