027  いやー私頑張った!!だから許して?



 あれから1時間が経過したよ。その間にもいろいろオーブをゲットできた。


・足

・光

・地図

・伸ばす

・直角

・緑

・止める


 とまあ、実に7個のスキルをゲットできたわけであります。ただ問題がひとつ…


 夕食の時間を過ぎている…。気がする。…ちら。


 現在時刻 18:51


「おぅふ…」


 21分の遅刻でございます!!いやね?別に細かい時間まで決まっているわけじゃないんだけど、6時~6時半までには夕食を済ませるようにナビィに言われている。じゃないと夕食が冷めちゃうし、私の体調管理のスケジュールがズレるから大変なのだとか。

 だから…怒られる。


「もういっそこのままゲームを続けようかな…」


 いや、ダメだね…。さらに遅れるともっと怒られそうだ。はぁ…、仕方がない。ログアウトしないと。


ポチッ


《ログアウトしますか?》


「うん」


………



*




『それで?言い訳はありますか?』


「はい!私が欲しかった〔地図〕のスキルが手に入り、テンションがアゲアゲな状態になり時間を忘れて遊んでいました!結論!地図スキルが便利べんりなのが悪い!」


『さて、今日の夕食のデザートはモモの予定だったのですがこの調子ではありませ「すいませんでしたッ!!」んね』


 いやー、やっぱり言い訳は良くないね。今日は時間見てなかった私が悪かったようん。だからモモを…。私の大好物モモをどうかおなさけおぉぉぉー…!!!


『次、ゲームしてて遅れたらしばらくデザートのモモは御預おあずけですからね?』


「ウソーン」



『わかりましたか?』


「はい…」


 モモ…モモー…モモのためにも時間は守らないとね…


『さ、早く席についてください。ちょっと遅れてるんですから』


「はーい」








*>>三人称視点





チリンチリン



 場所は変わってここはゲームの中。



「マスター、彼女たちはいます〜?」


「奥の個室」



「ん〜。サンキュ〜」



 怪しげな雰囲気 ただようお店に入ってきた1人の少女は、他にいるお客さんには気付かれていないかのように誰も見向きもしない。そのまま奥の部屋へ抜けていく。


 マスターと呼ばれたその男も黙々もくもくとグラスをき、何事も無かったかのように仕事を続けていた。





*




 そしてそんな店の奥にある。程よく豪華な部屋。個室と思われるその部屋には騒がしくない程度の調度品などが並び落ち着きながらもかなり豪華な作りのソファーやテーブルなどが置かれていた。


 そんな一般人お断りな秘密の部屋で3人の少女達が密談を始める。


「で?あの子があなたの言ってた条件の子なの?」


「そうそう、可愛いでしょ〜?」



「うん、確かに可愛かったね…。でもそれだけじゃ、ユキの願いはかなえられないよ?」


 その内の一人はユキ。


「わかってるよ〜。でも…。もしナユカはダメって言われたら。私はこの話 りるから」


ガタッ!!


 一拍置かれて、ユキから放たれた言葉に信じられないとソファーから思わず立ち上がり、前のめりでテーブルに膝をぶつけたユキに話すもう1人の少女。髪は紅葉をイメージしたグラデーションのあるシニオンの彼女。


「イタタ…本気ッ!?どれだけ自分がチャンスを掴んでるかわかってるの?この話はそんな軽い話じゃない!あなたはこちら側にくるべき…それくらい知名度や人気が高いのに!!」


「私はナユカありきだからね〜。彼女がこちらに来れないないなら面白く無さそうだし〜?」



「はぁ…?こちらに来れば現実世界のほぼ全ての施設、サービスを受け放題ッ!もちろんそれだけじゃない!!」


「うん知ってるよ〜」



「じゃあわかるでしょ!!?ちょっとヒカリもなんか言ってあげてよッ!!」


 今まで沈黙を貫いていたもう1人の少女。彼女は薄水色の髪をサイドテール(小)にしている。少し眠たげにも見える瞳をユキに向けていた。



「ん。アキ。本人の意思。大事」


「そ、そうだけど…」


「そうそう〜、それにね〜…。ナユカはあなた達の考えている以上にヤバイ子よ。見てなさい」




「い、いやでも…」


 2人の意見は平行線に見えたが、薄水色の少女「ヒカリ」がユキに静かに条件を突きつける。


「じゃあ…。今度の闘技大会。チーム戦。参加。ユキ、ナユカ2人で優勝。できる?」


「ふんッ!余裕だね〜」


 そんな無茶な条件を胸を張りながらユキは誇らしげに。さも当たり前だと言いたげに言い切った。


「ん。それで」


「えっ!?ちょっと!!私の意見は!?」


「もう決まった。これでいい?」


「いいよ〜」


 紅葉少女「アキアカネ」は自分無しで話を終わらせた二人にがっくししながらソファーに落ちるように座る。


「えー…。なんか勝手に話が決まってる…。上に頼むの私なのに…」


「ん。がんばっ!!」



「誰のせいよ!!?」


「まあ、見ててよ〜!絶対面白くなるからさ〜」


「は〜もうそれでいいけど…。闘技大会チーム戦優勝かつ、私たちを納得させるだけのなにかを見せて。それで条件を飲んであげる」


 アキアカネは諦めたようにため息を吐いた。


「は〜い!」


「ん。解決。じゃあ私、カフェモカで」


「私はチョコレートパフェ〜。もちろんアキちゃんの奢りで!!」


「地味に高いのに…、それ。あ、私はショートケーキかな?マスターー!!」


 いつの間にか先程店に来た時のマスターが注文を聞き、えらく可愛い商品のジャンルに顔をひそめながら注文をとる。


「あいよ…」


「カフェモカひとつ、チョコレートパフェがひとつ、ショートケーキがひとつ…。ドリンクは?」


「ん〜…。紅茶でいいかな」



「じゃあ紅茶ふたつで!」


「ここはカフェじゃあないんだがな…。あいよ…」




「「アキちゃん、ゴチ」になりま〜す!」




 マスターもなぜかため息を吐き、部屋から出ていった。




*>>ナユカ視点





 モモ…美味しかったです。さて夕食も済ませたしあとはお風呂とか終わらせたあとは…。RBGでもしようかね?まあ、暇だし。


 せっかくだから明日ユキに会うまでに色々スキルも欲しいし、少しくらい戦闘しておいた方がいいかもしれないし…?

 1人で戦闘はしたことないんだよね。闘技場…。行こうかな?いやオーブ集めが先だね。まだまだやれること少ないし、それに技?だっけそんなの作ってみたいじゃん?そのためのスキルもゲットしてないからね。


 んじゃ早速ログイン。ちゃんと1人で慣れないとね。

 目標はスキル10個。出来れば技名系スキル、色彩系スキル、あ、あと飛行のスキル。〔ジャンプ〕は飛べるけどその都度ぴょんぴょんしてるから飛びにくいのよね。だから普通に飛べるスキルをゲットしたいです。


 ほい!ベットイン!!いってきまーす。






ステータス



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



名前 ナユカ


所持金 1000G



HP 0├───────────┨


MP 0├─────────╂─┤



スキル


パッシブ

魅力 魔力



アクティブ

火 回す 植物鑑定 躱す 火炎 叩く ジャンプ 赤 魔法陣 足 光 地図 伸ばす 直角 緑 止める



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