5ー12
5年目
5枚目のアルバムを出して、今までで1番大規模なツアーをやった。
全国20ヶ所、25公演。
主要都市と、今まで行ってなかった県をピックアップして廻った。
ツアーは楽しい。
俺は割と、同じところで同じ作業とかをするのがきっと苦手な性分だ。
毎日違う所へ行き、違う人たちと話したり、そう言うことが大好き。楽しい。
だから、いろんなことをドンドンやってみたい感じ。
今回のツアーの中盤辺り、横浜でのライブでサプライズナイトをやった。
これで、3回目。
初めてやった時よりは、多少緊張も緩和されたけど、やっぱりYO・I・Nをやる時だけは ものすごく緊張する。
その時の表情が真剣でいい!って、いろんな人に誉められたけど、なんかそれって、普段はダメなの?って、微妙な気持ちになる。
黙ってれば、いい男とかもよく言われる。
それが、黙ってらんないんだよな~!!あはは。
この年は、龍聖と2人の写真集を出してもらった。
セミヌード写真集だって。
デビュー前に、YO・I・NのPV撮影でプールに行った時に、確か龍聖とそんな話をしたよな。
龍聖の裸の写真集、きっと需要あんだろ!って。
桂吾と2人でならいいよ!って龍聖は言っていた。
それが、まんま、その企画がきたって感じ。
先に、龍聖に聞いたようで、マネージャーの木村さんが、桂吾さんどうですか?龍聖さんは、やりますって言ってますが。と言われた。
龍聖がやる気なら、やるしかないだろう。
カメラマンさんは、俺の写真集でもお世話になった根岸さん。
まずは、プールでの撮影。
泳いでいいって言われたから、喜んで泳ぎまくった。いろんなカットで撮ってもらった。
プールサイドで海パン姿。
シャワー浴びてるところをギリ へその辺りまでの上半身。
うしろ姿を全裸で。ケツ丸出し。
その状態で、横向いて見つめ合えって。
俺はホント笑っちゃいそうになるけど、龍聖は全然顔色も変わらない。
すげーな!
なんか、俺 見つめられて、照れちゃってる人になってね~か~?
移動して、スタジオでの撮影。
行ってみたら、なんかふわふわのベッドみたいなところに、真っ赤な薔薇の花びらが敷き詰めてあった。
えっろ。笑える。
龍聖が横になり、龍聖の腹の辺りを枕にして寝ろと言われ、言われるがままにそうした。
で、裸の上半身にいっぱい花びらを振りまかれた。
真上から撮られ、横向きを撮られ、また、見つめ合えって!
で、俺だけ微笑んでと言われた。
すげー声出して笑いたいのに、微笑むって、逆にムズい。
マジで誰 需要なんだよ?
撮影が終わって、控え室に戻ると、
「楽しかった!!」
と龍聖が笑った。
「あはははは!マジかよ~!!楽しかったか~?龍聖 楽しそうでもなかったじゃん?」
「えっ?めちゃ楽しかった!あんなこと普通できないじゃん!」
「できないってゆうか、しね~よ!!龍聖まったく顔に出ないからすげーよな!!」
「いや!超 照れてたよ!あはは!」
「マジか!」
後日、会社で打ち合わせをしてた時に、写真集出来上がりましたよ~とスタッフさんが、俺ら5人に1冊ずつ配った。
「あはははは~!!えっろ!!なにこれ!
マジで、こんなん撮ったんだ~!!きっつ!!」
と、悠弥が言った。
「これは、売れんだろ!!うちのバンドのイケメンツートップのヌードだぜ!!」
大輝が笑った。
「ってゆうか、エロいか?エロさよりも、キレイじゃんか!!このケツとか、この腹とか」
瞬が真面目な顔で言うから、余計に恥ずかしかった。
「いやいやいや、これ持って帰らなくていいから!会社に置いてけよ!!」
「これ、早く理彩子に見せたいなぁ。理彩子楽しみにしてるから」
と、龍聖がにこにこしてページをめくっている。
あはははは!どうゆうテンションだよ?
自分の彼女に、自分のヌード写真集を見せる心境がわかんね~!!
彼氏の裸なんて、いつも見てんだろ。
これを理彩子 楽しみにしてんのかよ?
この写真集は、写真集部門で年間1位の売上げだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます