死に花

常雨 夢途

エゴ

君の前から逃げ出した。

自分の全てに嫌気がさした。

いつもごめんの繰り返しで、何度も裏切り続けてきた。

死ななければならない。でも、頭に浮かぶのは君ばかりで。

これまでのこと全部チャラにして、笑い合えたらどれだけ幸せなのだろう。

何度も君を傷つけて、泣かせて、もう僕が消えてしまうことで君は幸せになれると思った。

でも、本当にそうなのか今になってわからない。

目の前に死があるのに、今となってわからない。

ずっと笑いあっていたい。

ずっと君のそばにいたい。

傲慢なのはわかっている。許されないのもわかっている。

それでも、頭の中は君ばかりで。

ああ、君をずっと想っている。君だけをずっと想っている。

ずっと裏切ってしまう。君をずっと傷つける。

でも、共に生きたいよ。

愛しています。

さようなら。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る